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そのとき、デニムのポケットで震える携帯。
“なんで出てくれないの？”
ヒステリックな声が受話器から響いて、思わず携帯を遠ざけた。
「ごめんごめん…忙しくて…」
全く、頭の中から消えていた、彼女の存在。
「今から行っていい？」
なのに…こんなときだけすがろうとするなんて…
俺ってば、ほんと、最低。
携帯を再びポケットに押し込み、残ったアルコールを喉に流し込んだ。
「ヒョン、もう行くわ」
「…彼女？」
「…まぁ…」
「たいがいに、しろよ」
いつになく、鋭い視線がぶつかった。
「心ここにあらずじゃ、
そんなの、むなしいだけだろ」
諦めにも似た表情を浮かべたヒョンに、
なぜだかわからないけど怒りが込み上げて、
何も言わずに飛び出してしまった。
ヒョンに、俺の何が分かるの？
そう、一人でムカムカして
彼女に欲をぶつけて…
けれど、残ったのは、ヒョンの言う通り、むなしさだけだった…
ベッドを抜け出し、そっと服を着て彼女の部屋を後にした。
寒すぎる、12月間際の真夜中。
眠れない夜、考えてしまうのは、どうしてもヌナのことで…
その温もりに触れたい、やわらかい黒髪に指を通して、くしゃりと撫でて…
抱きしめたい。
そんな自分の想いが膨らむのを感じるたび、怖くなる。
実際に会ってしまったら、抑えがきかなくなるんじゃないか。
こんなに会いたくて
こんなに、愛しい。
けれど
ヌナはまだ、あの人のことを想って、泣いているのだろうか。
振られるのが怖い。
弱いなぁ…俺。
空にはぁとため息をつけば、白い息がもくもくとあがり、すぐに消えていく。
そんなひとり遊びをしながら家路をゆけば、
真っ暗なソウルの道に、ひとつの灯りを見つけた。
電気の消えた店内の奥に、かすかに見える灯り。
そっと近づけば、ヌナがいた。
真っ白なコックコートを着て、作業をしているヌナの横顔が見えた。
その眼差しは真っすぐで、今の俺には眩しすぎて
気づけば、頬を涙が伝ってた。
いつだって、一生懸命なヌナ。
失敗したと泣きついても、次の日にはポジティブを取り戻して
仕事に心血を注ぐヌナ。
もしかしたら俺はずっと…
出逢ったころからずっと…
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miyu(プロフ) - あゆりんさん、ごまねさん！ありがとうございます！！ようやく一話更新できました。ノロノロになっちゃうかもですが、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします！ (2015年11月21日 23時) (
レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
ごまね(プロフ) - 返信ありがとうございます♪楽しみにまってます(^o^) (2015年11月21日 20時) (レス) id: f2598c3f20 (このIDを非表示/違反報告)
あゆりん(プロフ) - そうだったんですか!次の更新楽しみしてます♪頑張ってください(*^^*) (2015年11月21日 20時) (レス) id: 8609184879 (このIDを非表示/違反報告)
miyu(プロフ) - またよかったら、読んでやってくださいませ！ (2015年11月21日 20時) (レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
miyu(プロフ) - ごまねさん、あゆりんさん、玉ちゃんふぁみりぃさん、みーこさん！このたびは読んでいただき、また、楽しみにしてくださって、本当にありがとうございます！実は、続編がまだ更新できておらず…お待たせしておりすみません>_< 更新でき次第公開します！ (2015年11月21日 20時) (レス) id: 812cdb4791 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：miyu | 作成日時：2015年10月14日 22時
