君の彼女でいる条件 (ページ49)

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49.兄と妹ーCYーページ49

物心ついた頃から、AとAの兄のジュンミョニヒョンと一緒にいた。

家が近所だったし、年近い子が他にいなかったし、俺は勝手に2人のことを本当の兄妹のように思ってた。

でも、いつからかだっただろう。たぶん中学入学したあたりから。

Aは、俺のこと好きなのかもしれない

そう感じるようになった。

なんで？と聞かれたら困る。だってただの勘、だから。でも今までずっと一緒にいて、Aの些細な変化に気づかないほど俺は鈍感じゃないって思ってる。

で、それだけなら何の問題もないはずだったんだ。だけど、同級生に告白されたときとか色々と相談してた俺はAを傷つけてきたんじゃ…。

そう思ってたけどある時Aに彼氏ができたって聞いて安心したんだ。なんだ、俺の勘違いだったのかって。

それからはずっと今まで通り、何事もなく兄と妹みたいな感じで過ごしていた。

そう、俺の卒業式の前日までは。

家の呼び鈴が鳴らされて外へ出てみると、慌てた様子のAがいて、どうしたのか聞くと『オッパに、言いたいことがあって…』と返ってきた。

『私、オッパのことが好きなの…』

…ああ、やっぱりそうだったのか。

俺はAを傷つけていたんだ。

でも、もっと傷つけなくてはいけない…。

「…ありがとう。でも俺、Aのことは妹としか思えないんだ。だからAの気持ちには応えられない…」

本心だった。

Aのことが嫌いなわけじゃない。むしろ好きだ。だけど、Aの"好き"と、俺の"好き"はきっと違う。

付き合うことにしても良かった。実際、中学校のときの彼女は皆相手の方から告白されて、別に嫌じゃなかったからOKして付き合っていたし。

だけどAとはそんな中途半端な気持ちで付き合うことはしたくなかった。それぐらい大切な存在なんだよ。

Aはきっともっといい人と出会える。

身勝手だと思うけど、Aの幸せを願った。

本当の自分の気持ちには気づけないまま。