君の彼女でいる条件 (ページ15)

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15.確信犯ページ15

学校に近づくほど人が増えて騒がしくなるいつもの通学路。

なんてことのない、ただの登校時間がこんなにも幸せでこんなにも終わってしまうのが惜しいって思えるなんて。

ジョンインくんが隣にいるってだけでこんなにも変わるんだね。

「A、また顔緩んでる」

『…！み、見てたの』

「うん」

ジョンインくんが私のことをみ、見てたなんて！私、その事実だけで今日生きていけます！

「見てるの、俺だけじゃないみたいだけどね」

『え？』

さっぱり意味が分かってない私に、顔をくいっと動かして周りを見るよう促す。

『…ほんとだ、私見られてる』

私たち2人から少し距離をあけて、遠巻きにこちらをみてはヒソヒソと話をしているのは私やジョンインくんと同じ制服を着ている人たち。

なんで見てるのかなんて聞かなくても私にだって分かるよ。人気者のジョンインくんが女子と2人で登校してきたなんてそりゃあ、一大事件ですよね！

そこまで考えてふと悪い予感が頭をよぎる。

私、ジョンインくんを好きな女の子たちに殺されるかも…！？ど、ど、どうしよう！死ぬのは嫌だよ！

『あ、あのあの…ジョンインくん』

「ん？どうかした？」

『私が死んだら泣いてくれる？』

「…」

『…』

一瞬の沈黙の後にぶはっと吹き出すジョンインくん。あ、また私がおかしいこと言ってるって思われてるな…。

「マジメな顔して何言うかと思ったら…」

『いやいや！冗談じゃなくってですね！私、ジョンインくんを好きな子たちに恨まれちゃうかもしれなくてですね！そしたら…』

「殺される？とかそんなこと考えたの？」

『…は、はい。』

「…そんな、マンガみたいな話あるわけないから安心しなって」

私だってあり得ないと思うけどさ、なんたってジョンインくんがもうまさにマンガの中の王子様なんだもの…。ってことはマンガみたいなこと起こってもおかしくなくない！？

「…納得しないの？」

『正直に言うと、してないです』

そんな私に「はあ…」とため息をつくジョンインくん。呆れられてる！

「…大丈夫だって。Aのことは誰にも傷つけさせないから」

ぽんぽんっと繋いでる手と反対の手で私の頭を撫でてくる。

…不意打ちでこんなことしてくるジョンインくんは間違いなく確信犯だ。