君の彼女でいる条件 (ページ14)

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14.手から伝わる温もりページ14

『ジョンインくん！？なんで…うわあっ！』

慌ててジョンインくんのところへ走っていこうとして足がもつれてバランスを崩す。そのままべしゃって効果音が聞こえるくらいハデにコケてしまった。

痛い…。高校生にもなってコケるなんて。

ん？痛い？痛みを感じるってことは、これは現実なの？

「大丈夫？立てる？」

そう言って私の両肩を優しく支えてくれるジョンインくん。…ああ、やっぱり王子様だ！こんな優しい王子様がSなわけないじゃんね！

『ありがとう…』

幸いにも、と言うべきかな。ハデにコケた割には一つもケガしなかったんだけど…。

好きな人にこんなカッコ悪いところ見せるなんて、穴があったら入りたい。

「何もないところでコケるなんてな。A面白すぎる」

んん？今のジョンインくんが言ったの？？
あれ、ちょっと夢の中のジョンインくんとかぶるなあ…

『…そ、それでジョンインくんはなんで私の家に？』

「なんでって、迎えに来たんだけど？」

『わ、私を！？なぜ！！』

「A、いつまで寝ぼけてんの。自分の彼女迎えに来ただけだけど？それ以外に理由ある？」

『彼女…私が！？それって夢の中の話じゃなくて！？』

すると突然ゲラゲラ笑い出すジョンインくん。

「A、ほんと変わってるよね。自分から告白しておいて、夢だったって…。ちょっと…ごめ、笑い止まんない」

お腹抱えて笑い出すジョンインくん。何がそんなにおかしいのー！私は至ってマジメなんだけどー！

やっと笑いが収まったのか、私の方へ顔を向ける。

「学校行くよ。ほら」

すっとためらいもなく私の手を取って歩き出すジョンインくん。

「これでもまだ夢だって思うの？」

繋がれた手から伝わるジョンインくんの温度がじんわりと私の手の先から伝わってくる。これは夢じゃないよってその温かさが教えてくれてるみたいで。

『思わない…よ』

私の返事に満足したのか、「よろしい！」なんて言って楽しげに笑うその横顔を見れば、好きって気持ちがまた一回り大きくなった。