心因性失声症（転換性障害） ページ8
ジェシーside
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ジェシー:高校1年生
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俺のクラスに転校生がやって来るらしい。
都立の全日制で普通科、普通なら転校生なんてありえない。
SHRが始まるまでは、転校生の話題で持ち切りだった。
やれ“ 女がいい ”だの、やれ“ 外国人らしいよ？ ” だの噂が独り歩きする教室。
実際、転校生の存在なんでどうでも良くて、その今はまだ未知の“ 転校生 ”というどこか架空の存在に胸を膨らませ、盛り上がる。それがメインイベントなのではないか、そんな気さえ感じていた。
だから、SHRで紹介された転校生にクラスメートは驚愕し、言葉を失った。
紹介された転校生は、端正な顔立ちだからこそ笑うことを知らない人形かのような仏頂面が目立ち、不健康に痩けていて
そして睨むような目付きが酷く印象に焼き付いた。
そして
担任「えーっと、今日からこのクラスに入ることになった“ 田中樹 ”くんだ。えっと彼は、
“ 耳が不自由 ” なんだ。
だから、田中くんのことサポートしてやって欲しい。そして仲良くしてやってくれ、じゃ出席取り……」
“ 耳が不自由 ”
先生の放った言葉が教室内の彼の印象を“ 期待 ”から“ 落胆 ”へと変えた。
チームティーチングとしてこれから彼の世話をするらしい副担任が、ホワイトボードに記し彼を座席へと誘導した。
その間もクラスメートからなにか声をかけるでもなく、まるで潮が引いたかのように彼から距離を取った。
まるで彼がその場に居ないように、腫れ物を避けるかのように。
俺の席の斜め前に座った彼は、副担任が提示したボードの文字を読み、所々頷いていたものの
その彼の目は、何も写せない程に
酷くくすんだ黒色ように見えた。
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しずく - 面白かったです！更新楽しみにしています。これからも頑張ってください！ (2021年8月2日 21時) (
レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - 面白いです！ (2020年10月31日 3時) (レス) id: 7af6836f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くも | 作成日時：2020年9月24日 23時
