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樹side
全部言ってしまった。ぶちまけた。
顔面が涙でぐっちゃぐちゃで、嗚咽する度に心電図がちょっとだけ跳ね上がるのが少し面白かった。
「訳もわかんないままさぁ……よく分からないもの繋がれて今から手術します眠れなんてどうしたらいいか分かんなかったし……消えかけたけどまだ胸に傷だってあるし……」
「せんせ、本当は俺バスケがしたかった。体育とかじゃなくて部活として。だけどまだ逆流が残ってるから激しく運動しちゃダメって、ねぇなんで全部治してくれなかったの！！」
医者「ごめん、それは先生が悪い。」
「……ちがう、俺が悪い。変な心臓持って生まれてきたから。ごめんなさい八つ当たりして。」
「治ったんじゃないの？ねぇ、なんで薬飲まなきゃ行けないの？なんで激しい運動しちゃいけないの？なんで体調崩しやすいの？ねぇ、なんで…………」
17歳がみっともない。取り乱した俺を先生は咎めることも宥めることも無く、ただ聴いてくれた。しっかり、一言一句噛み締めて、聴いてくれた。
医者「それで、同級生のことを……」
一通り落ち着いた頃、先生はまた問いかけてくれた。
病み上がりのくせに暴れて、酷くぐったりとした俺の額を撫でながら。
「うん……すごく不思議だったんだ。なんで病気じゃないってお墨付きまで貰ってるのに何がそこまで不満なんだろ。
別に肺とか悪くないのになんで息できなかったんだろ。仮病じゃんって。
ホントの苦しさなんて知らないくせに、病気のこと舐めてるのかなって」
医者「それは違う」
先生は手を止めて、ゆっくりと俺に向き直った。
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しずく - 面白かったです！更新楽しみにしています。これからも頑張ってください！ (2021年8月2日 21時) (
レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - 面白いです！ (2020年10月31日 3時) (レス) id: 7af6836f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くも | 作成日時：2020年9月24日 23時
