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樹side
次に目を開けた場所は1面真っ白で。
「痒っ…あー、」
酸素マスクと心電図をあてがわれた皮膚が痒いことから、運ばれたんだと悟った。
医者「あ、起きた。久しぶりだね」
定期検診以来、2年振りに見たいつもの、少しふくよかで低い声の主治医がいた。
「あの……お、れ………」
医者「血圧が上がりすぎたことによる失神。四徴症もまぁ関係ないようであるみたいな、でも心配いらないよ」
「にゅ……うい……ん？」
医者「ううん、今日明日様子を見て、大丈夫そうだったら即刻退院。」
「よか……っ……たぁ……。しゃ……べり……に……くい……」
医者「そうだね、外そっか。」
ようやっと酸素マスクを外されて、喋りやすくなった。
「痒っ…」
医者「これが？」
「今口元ニキビがすごくて」
医者「いやーん思春期。若いってすばらしい！！」
そんな主治医の緊張感の無さに、思わず吹き出したと共に、本当に血圧が上がっただけなんだと少し安堵もした。
医者「先生から聞いたよ。同級生にキレたんだって？」
「あ、あれ同級生だったんだ。
うん。なんか……」
医者「その話、先生にも聞かせてくれるかな？」
いつもの先生の、いつもの優しい笑顔に、何故だろうか。
涙が溢れて止まらなくなった。誰にも、ままにも言えなかったぐちゃぐちゃとした気持ちを、全部吐き出したくなった。
「先生、あのさ……」
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しずく - 面白かったです！更新楽しみにしています。これからも頑張ってください！ (2021年8月2日 21時) (
レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - 面白いです！ (2020年10月31日 3時) (レス) id: 7af6836f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くも | 作成日時：2020年9月24日 23時
