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北斗side
_______________頭が痛い。
そう自覚した時には遅かった。
「はあっ、はぁはぁﾋｭｯ…はあっひゅっ！」
苦しい、息ができない、怖い。
目の前が歪む、教師の声がやたら大きい、息が吐けない。
発作を起こしてしまったことを瞬時に理解した。
女1「まつ………ん………大……ぶ……？」
誰かが声を掛けてくれているが確認する余裕を持ち合わせていなくて。
がたん。その音と同時に自分の体が床に触れた。
頭を打ったのだろう。側頭部がヒリヒリする。痛い。どうしよう………怖い
「はあっ、ひゅっはぁはぁ………」
教「西！保健室！」
女子に肩を借りて、ようやっと保健室に行けたはいいものの
「松村くん！西ちゃんありがとう。もう大丈夫だから戻っていいよ」
これのせいで保健室の常連になってしまった、めんどくさい俺の話をいつも真摯に聞いてくれている養護教諭を見たら、なんとも言えない安堵感が襲ってきた。
「せんせ……はあっ。おれっ、……どうしよう……違うよね、ひゅっ。違うよね……怖い………苦しい………」
養護「だーいじょうぶ。まずはその場でいいから、ゆっくり呼吸するの。吐いて、吐いて………」
規則的に背中を優しく摩られたおかげで、一応だが過呼吸は収まった。だけど、
養護「もう発作起きないからね、大丈夫。心配しなくてもいいよ。その証拠に収まったでしょ？」
また発作が起こるかもしれない恐怖を先読みしてくれる。この人はすごい。
養護「頭痛？」
「はい……気づいた時には遅くて……」
養護「そっかそっか、今日雨だもんね。それで、お兄ちゃんのことを？」
「はい……頭痛くなと必ずパニックになるってわかってるのに、それすらも怖くて………」
養護「うんうん、それで？」
「いつもの事なんですけど、自分も病気だったらって………怖くなって………苦しくなって………」
分かってる。兄貴と俺は違うことなんて分かってる。
だけど怖くて、その恐怖が拭いきれなくて。
「ひゅっ、……せんせ、俺も……病気だったらどうしよう………発作だって、はあっ……違うのだったらどうしよっ、ひゅっはぁっ………」
養護「検査したでしょ？違ったんでしょ？だったら……」
「でも『おいてめぇ、ふざけんなよ』」
恐る恐る移した目線の先には、ベッドのカーテンをぐっと握り、俺を睨みつけている男子生徒がいた。
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しずく - 面白かったです！更新楽しみにしています。これからも頑張ってください！ (2021年8月2日 21時) (
レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - 面白いです！ (2020年10月31日 3時) (レス) id: 7af6836f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くも | 作成日時：2020年9月24日 23時
