. ページ4
高地side
エントランスの端で蹲るその男性は、まだ残暑も残るこの季節にしては異質な服装をしていた。
長袖のハイネックを腕まくりし、ニット帽を被って。当たり前だがマスクもしていたその細身の男性。
苦しそうに肩で息をし、大量の汗を流す目の前の男性。
そんな風貌からこの病院に入院するガン患者ではないか、そう感じた俺はすぐさまこの彼を担ぎあげようと腕をとった。
が、俺の予想は180°真逆のものだった。理由は、
「………え、樹？」
俺のよく知った人だったから。
「なんで………」
樹「っはぁ。はぁっ……えっ、高地………？何で……？」
「なんでもいいから、な。ちょっと座ろ。立てる？」
手には処方箋を持っていた。もう診察を終えたのだろう。
未だ苦しそうな樹の肩を取り、人気の少ない男子トイレの近くにあるベンチまで申し訳ないが歩いと貰うことにした。
紛いなりにも芸能人。それでなくても端っこで蹲る人はいくら病院であろうと異質だから。
肩をとった樹の体は、今まで目視していたよりもずっと軽くて
何故だろうか。顔つきが少しだけ違っていたようにも思えた。
「苦しい？」
「っ、はぁ。だいじょ、ぶ。」
至近距離で感じる息遣いも熱く、俺の知ってる樹とはかけ離れてて、それがまたやはり怖かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 379人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しずく - 面白かったです！更新楽しみにしています。これからも頑張ってください！ (2021年8月2日 21時) (
レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - 面白いです！ (2020年10月31日 3時) (レス) id: 7af6836f29 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くも | 作成日時：2020年9月24日 23時
