脊髄小脳変性症 sub.緑 ページ25
樹side
小学校の時やってたリトルリーグだって
中学時代所属してたバスケ部だって
ずっと俺は“プレイヤー”だった。
突き刺すような日差しも、蒸れて地獄のような匂いがしたバッシュも、全てが大好きだった。
ずっと自分はプレイヤーで居れるんだって、輝けるんだってそう思っていた。
今は、大好きだった野球もバスケも、名前を聞くだけで虫唾が走ってしまう。
“もうプレイヤーには戻れない” 、当時15歳。たった15年しか生きていない俺には、多分受け止めるだけの器がなかったんだと思う。
______ｰﾗｰｲ､ｵｰﾗｰｲ！ ﾘｰﾘｰﾘｰ、ｺﾞｰ！
この病院の近くには、男子校がある。 皮肉なことにスポーツの強豪校。
少しでもそいつらの声を聞いてると鼓膜が破れそうで、少しでもそいつらの姿を見ると光で目が焼けそうで。
咄嗟に病室の、そして俺のベットのカーテンを閉め、イヤフォンを手に取った。
耳から聞こえてくるその音色は
“要なしの人間なんている訳はないと
神様はいつも僕に言うけど
本当のところは口を噤んで
何も言おうとしないけど______”
憎らしいぐらい心地よかった。
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しずく - 面白かったです！更新楽しみにしています。これからも頑張ってください！ (2021年8月2日 21時) (
レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - 面白いです！ (2020年10月31日 3時) (レス) id: 7af6836f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くも | 作成日時：2020年9月24日 23時
