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樹side
「ふぅ〜〜………」
やっと空き時間。
副教科といえど、700人規模の公立中で1人で教えるのはどう考えても無理がある。声を上げるだけ無駄だから言ったことは無いけど、よくこれで2年間耐えてるなとは思う。
やらなきゃ行けないことはいっぱいある。授業準備とか校務分掌とか。学級のこととか…………
だけどどうしてもやる気になれなくて、否、やろうとすると途端に涙が溢れて仕事にならないから、1時間だけ、いや、5分だけ、トイレに逃げた。
「あー、もうくそ！なんでだよ………」
結局どこ行こうが涙なんてもんは収まらなくて、個室でダラダラと情けなく体の水分を放出する。
節々がズキリと痛み、立っていられなくて俺はその場に蹲り、左腕を撫でた。
こんなもので治まるわけなんてないのに、いつかできてしまった癖が、どこからか湧いてくる生存本能が無意識にそれをさせた。
腕時計を見ると、12:02。の昼食指導が始まるチャイムが刻一刻と迫っている。
「いかな、きゃ」
昼なんて食べてない。食べる時間なんてない。
空腹は、ここ数ヶ月感じたことは無い。食べたくない。ほかの自治体は知らないけど、昼食を悠長に食べる先生は嫌われるから。
もうこれ以上、嫌われたくないから。
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しずく - 面白かったです！更新楽しみにしています。これからも頑張ってください！ (2021年8月2日 21時) (
レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - 面白いです！ (2020年10月31日 3時) (レス) id: 7af6836f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くも | 作成日時：2020年9月24日 23時
