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高地side
ジ「樹、また痩せたよね？」
「んー、食べてるには食べてるっぽいけどね……」
皆思い思いのロケ弁を手にし、暫しの昼休憩。
鮭の皮を丁寧に剥ぐ俺を大きな声で笑いつつ、ジェシーが心配そうに樹を見てこう言った。
確かに、ここ数ヶ月で樹は一回り細くなったように思う。
最も、ついこの間までの自粛期間が相まって生活リズムが狂っていたのか、夜中に樹から電話がかかってくることもちらほらあったし2人で「そのうち普通になるよ」と話はそこで終了した。
多分、極端に食べてないことはないと思う。
今だって、ロケ弁もいつも通り食べている。 差し入れで貰った某おばさんのクッキーも口にしていた。
「この部屋寒くね？」
ジ「樹が暑いって。大我もマスクしてるし問題ないって言ってるし」
「またぁ？」
皮下脂肪なんぞどこにやら、なんて樹が冷房の主導権を独占するようになった。
ハイネックなんか着なきゃいいのに、
そんなことは言えなかった。
何事もないようにスマホを見ている振りをして、手で胸をそっとさすり続け、
小さく方で息をしている樹を見ていたら無理はさせたくない。そんな気持ちと
このご時世体調不良に敏感にならざるを得ない、怖いというのが正直なところで。
ただただ俺が怖気づいて、逃げた。無理をさせたくないなんて口からついた言い訳でしかない。
だから樹に触れられなかった。
樹がずっと不安とか、苦しさと独りで闘っている。そんなことも知らないで、逃げた。
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しずく - 面白かったです！更新楽しみにしています。これからも頑張ってください！ (2021年8月2日 21時) (
レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - 面白いです！ (2020年10月31日 3時) (レス) id: 7af6836f29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くも | 作成日時：2020年9月24日 23時
