15年の秘密。

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『相変わらず冷たいですね。WBC観にきますか？』


「韓国戦行くよ、チケット取れたしね」


『どうせなら俺が先発の時に来てくださいよ』


Aさんと出会って4年半ほど。
初めて会ったのは何名かの選手達と食事をすることが
きっかけだった。

遅れてやってきたAさんは俺たちがいることは知らず
ただ友達とご飯を食べにきたと思っていた。
Aさんは興味がないようでお金だけ置いて帰ろうと
していたけどなんとなく一緒に過ごしてもらいたくて
無理矢理ひきとめて、ご飯を食べたのがきっかけだった。


他の女の子たちは他の選手と話しが盛り上がっている中
静かにご飯を食べていた。
家に帰りたいと思っているのが表情にでていて少し笑ってしまった。


「何ですか？私の顔に何かついてますか？」

『そんなことないけど今すぐ帰りたいですよね？』

そう伝えると気まずそうな顔をしていた。

「友達とご飯って聞いてたから……帰れるならすぐ帰りたい」

『……なら出ますか？俺もちょっと飽きてきたし』


そういうと嬉しそうな顔をしていた。

「でもどうやって帰ろうかな」

『大丈夫ですよ、皆さんすいません。2人で話したいので抜けてもいいですか？ここに2人分置いておくので』

そういうと周りは盛り上がり、Aさんは驚いた顔をした。

「あの……ありがとうございました。助かりました。」

『全然大丈夫です。ただ1つお礼してください。』

そう言うと1つくらいならといってくれたので勇気をだして
連絡先を教えてほしいと伝えた。
少し戸惑っていたからダメだと思っていたが意外にもあっさり
連絡先を教えてくれて驚いた。

『Aさん、連絡するんで無視しないでくださいね
ちょっと無視しそうな気がするんで』

そう伝えて4年間ずっと連絡を取り合ってたまには隠れてご飯にいって過ごしている。
そして、3年前から、Aさんに特別な感情を持っている。

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