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『そんな驚いた顔しないでよ。』
Aは思ってもいなかった答えだったのだろう。
すぐに安元さんと中村さんの顔を見た。
『安元さんにも中村さんにも事務所からも聞いてないよ。』
「じゃあなんで……」
『お兄さんがプロ野球選手になりたての時は分からなかったよ。苗字が同じなんだなって思ってたくらいだし。でもお兄さんが有名になっていくうちにみんなの話しにお兄さんの名前がでたら話しには入らないし、急に話しをふられた時にものすごく困った顔してから。そこから意識し始めて本当はお兄さんなのかもなって思った。でもお兄さんのプロフィールには妹がいることも書かれてなかったから確信がもてなかったんだ。』
「でも聞こうとは思わなかったですか?」
『何か事情があるのかなと思ったし、言いたくないことを無理に言わせるつもりもなかったから。お兄さんのことは伏せられてたけど最近記者に付け回されてるから気にかけてあげてほしいとは言われてたけど。でもAの隣にはいつも安元さんと中村さんがいたから大丈夫だと思った。』
「気を使わせてすみません。きっとメディアにでれば事務所にも私が普段お世話になっている人に沢山迷惑かけてしまうから、江口さんに伝えておきたくて。」
『俺に言うのはいいけど宏太朗は?1番Aのこと心配してた。俺よりも宏太朗に伝えるべきだよ。言いづらいかもしれないけどさ。』
タクシーの中でもずっと気にしてた。
もっと冷静に話しをすべきだったと。
「そうですよね。来週の現場であったら話そうと思います。」
『そうしてあげて。何かあってもAのことを守ってくれる人はいるから。』
そう言うとAの目から涙がこぼれた。
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HIKARU(プロフ) - 目次16ページ2つあります (3月11日 22時) (レス) id: 274ae1ab60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:xoxo0216rs | 作成日時:2024年3月1日 12時