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「翔平さん、あれAさんですよね?」
廊下を一平さんと由伸と歩いていると声をかけられた。
遠くからだったがよく目を凝らしてみると間違えなくAだった。
『一平さん荷物持っててもらえませんか?すぐに戻ります。』
「今行くのはよくないんじゃないかな……」
『そんなこと言ってる場合じゃないです、Aのこと守らないといけないんで。』
そう伝えて少し走りながらAの方へ向かった。
「大谷翔平の妹であることは公表しないでください。それ以外のメディア対応はきちんとすることを約束します。……だからお願いします」
そんな声が聞こえて、跪いていた。
その瞬間、メディアに伝えたっていいんじゃないかと思った。
12歳で色んなことを考えて、誰にも俺のことを伝えずに我慢してきたんだ。
電話しても大丈夫、心配しないで。そう笑っていたけど本当は辛かっただろう。
もういいよ。Aも楽になっていいんだよ。
そう思って跪いているAを立たせた。
驚いていたが、すぐに大谷選手なんて言うけれど今の状況からすれば何をやってもは変わらない。
『妹に近づかないでもらっていいですか?』
「でも、大谷選手の妹はメディアの対応はきちんとするって言ってたよ?今更もう遅いよ。いくら大谷選手でもね。」
「もういいよ、お兄ちゃんの邪魔したくないから。これを機に色んな人が曲を聴いてもらえるかもしれないしね。」
涙目になりながら力なく笑った。
その瞬間、もう1人の手が伸びてAを掴んだ。
「翔平さん、Aさんのことは任せてください。」
そう言って由伸はAと廊下を歩いていった。
『これからは……大人の話しにしましょう。』
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HIKARU(プロフ) - 目次16ページ2つあります (3月11日 22時) (レス) id: 274ae1ab60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:xoxo0216rs | 作成日時:2024年3月1日 12時