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『うわぁ……』


思わずそう声に出してしまった。


『江口さん、今年の運使ったみたいですね。』


江口さんがとった席はそれはもう選手と近い席だった。
日本側のベンチだし、かなり視力がいい人なんかは顔だってはっきり分かるくらいだ。
お兄ちゃんのことだから気づきそうだ。


「とりあえずビールを頼んで観ないとね。」


周りをみると小さい子までユニフォームを着ている人が多い。
既に会場でのアップは終わっていたようでお兄ちゃんの打撃練習はすごかったらしい。



そんな中、試合は19時からだというのにいっこうに始まらない。遅れる理由のアナウンスもないまま時間だけがすぎていく。


「もう始まる時間なのにね。」


そう麗奈ちゃんがつぶやいた。
周りの人も不思議に思いはじめる。
小さい子なんかは少しただをこねている。


「まあ、何かあったんだよ、ビールのおかわりしたいな。」


そう呑気なことを言っている江口さん。
SNSで確認してもこれといった情報もない。


そんな中、着信音がなった。


『電話かかってるので、でていいですか?』


みんなから確認をとって電話をでた。


『もしもし?』


「初めまして、水原一平です。Aさんの携帯で間違えないでしょうか?」


物腰が低くとても優しそうなかただ。


『そうですが、何のご用でしょうか?』


「実は翔平から頼まれて電話しています。あなたが翔平の妹であることも全て知っているので大丈夫です。申し訳ないですが人気のない所に移動してもらっていいですか?周りの音であまり聞こえなくて。」


『分かりました。どちらにむかえばいいですか?』


指定された場所を聞いてみんなに声をかけた。


『ちょっと急ぎの電話があったんで、席離れますね。』


そう言ってカバンを手に取り指定された場所へ向かった。

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HIKARU(プロフ) - 目次16ページ2つあります (3月11日 22時) (レス) id: 274ae1ab60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:xoxo0216rs | 作成日時:2024年3月1日 12時

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