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帰り道。いつものように、優希と帰宅する。他愛のない会話してる最中に、
優希「あれ元カレだろ」
って。
一瞬驚いたけれど、ああそっか、ってすぐ納得する。
実はわたしが彼と付き合っていた頃。優希に1度だけ、会わせたことがあった。
というのも、当時優希はカフェでアルバイトしていて、たまたまデートの時にそこに寄ったら優希が働いていて。
その時に、今はＪｒ.だけれどデビュー出来るよう頑張っているんだよ、なんてことも話した気がする。
「うん。よく覚えてたね」
優希「あんな高身長でイケメンな人、忘れねぇだろ」
「…まあそうだね」
優希「…連絡取ってんの？」
「別れてから連絡先消したし。てかそのことも知ってるでしょ。」
優希と付き合うことになった時、そのことも少し話をしたから。
優希「…なんか、向こうはめちゃくちゃ未練ありそうだったけど。」
「…そんなわけないよ」
優希「いや…だってずっと見てたじゃん」
お前のこと、って。
それはまあ、うん、自覚してる、けども。
「…未練っていうけど。そもそも振ったの、むこうだし」
わたし振られた側だし。
優希「…ま、これから色々関わることあるし。なんか進展あるかもな？」
マンションの前まで送ってもらい、優希と分かれる。
部屋に入り、ふと深澤くんが拾ってくれたらしいものをポケットから取り出す。
そういえば忘れてたっけ。
くしゃっと丸められた紙。
ゴミ？
カサカサとそれを広げると、
「…電話番号、？」
080から始まる、番号が書いてあって。
でも名前は書いてない。…これは、ほんとにただのゴミ？
それとも深澤くんが意図的に渡してきた…？
…どちらにしても。
その番号にかける勇気などなかったし、例えそれが深澤くんのものだとしても。
仕事以外で関わりを持つつもりなどなかったし。
捨てるのはなんだか気が引けたから、一応それは取っておいた。
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作者名：みらくる
| 作成日時：2024年3月29日 17時
