恋は甘くない。(黄) (ページ8)

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レストランはちょうどインターバルの時間で。

ああだから、ここで食事するってなったのか。

厨房に行くと、やはりアイドルが食べに来るとのことで、女子社員は全員ソワソワザワザワ。

優希「どーでしたか？アイドルとの打ち合わせは」

「ケーキのアイディアがめちゃくちゃ浮かんで今すぐにでも作りたいくらいだよ」

優希「そんな感想聞いてねぇんだよ」

眉間に皺を寄せる優希。多分、アイドル目の前にしてニヤけてるわたしを想像でもしてたのだろう。残念ながら、ニヤけるどころ早く終わりたくて仕方なかった。

優希「女子社員がザワついてますよ」

「まあそりゃそうだろうね」

どうやら食事風景は動画撮影として使うらしい。…そっかもう、アイドルなんだもんね。

動画撮影とか、広告塔になるとか。…ますますわたしから、遠い存在になっちゃったんだね。

優希「…てかさ、前に言ってた元カレって…」

「ほら口動かさないで手を動かして」

慌ただしくなる厨房で楽しくおしゃべりなどしてる暇などない。

わたしが今やるべき仕事は、このレストラン専属のパティシエとして、ケーキを作ることだから。