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軽く挨拶を済ませ、本題へと話題は移る。…が。
岩「………」
マネージャーさんや支配人と話をしているわたしを、明らかに見てくる、
ほかのメンバーの方と話をしていても、ずっと見てくる。熱い視線がこんなに嫌なものだと思わなかった。
そもそもなぜ初めに、グループ名を聞いてピンと来なかったのか。アイドルの彼らと会うことよりも、任された仕事内容に興味が湧いてしまって。いかに自分が仕事人間なのか…なんだか虚しくなる。
ざっくりとだがメンバーの方からの話を聞いて、ひとりひとりの思うケーキが想像出来てくる。
こんなにメンバーカラーが豊富だと、使うフルーツや味も豊富で、考えるだけでワクワクしてくる。
『どう？A。』
「…なんとなくですが頭の中ではもう想像出来てます」
すげぇ！ってはしゃいでくれる目の前の人気アイドル。なんか嬉しい。
そうして1時間ほど話をし、忙しいみなさんはマネージャーさんと共に事務所を出て行った。その去り際も、
…自意識過剰過ぎるかもしれないけれど。わたしにとって彼はそれほどまでに、会いたくなかった。
打ち合わせが終わり、勤務するレストランのあるフロアに向かうためエレベーターに乗る。
と、扉が閉まりきる前に、もう一度扉が開いて。
誰か乗るのかな。
そう思い、エレベーターの開延長ボタンを押す。
すいませーん！と男性の声が聞こえたとともに、ぞろぞろと予想以上の人数が乗ってきて。
思わずその人たちの顔を見てしまう。
と同時に、
え、やっぱりAちゃんだよね？
と、聞き覚えのある声で名前を呼ばれ。
一気に注目される中、その声の主を、なんの迷いもなく見つけれるわたし。
ピンク色のふわふわの髪の毛の、子犬のようなきゅるんとした目をした、その人。
「…、佐久間くん」
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作者名：みらくる
| 作成日時：2024年3月29日 17時
