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ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
インターホンの音で、目が覚める。
でも、だるさと起きたばっかりで、なかなか動くことが出来なくて。
しばらくすると、スマホがブーブーと鳴り響く。
カバンをあさり、スマホを見つけ、通話ボタンを押す。
｢…ぁぃ｣
『あ、！だ、大丈夫ですか？！』
…可愛い女の子の声。誰だ…？
『あ、えと、わたし優希くんの彼女の、あのホールスタッフの、あの』
あー…優希の彼女さん…名前…なんだっけ…
『…え?…うん。体調悪そう……え?あ、』
なんか声が遠くなる。
『もしもし俺だけど』
｢…おれ？｣
オレオレ詐欺かよ…。
優希『今お前のマンションの前にいんだけど。出てこれる？やばそう？』
｢…え、なんでいんの｣
優希｢体調悪そうだったから帰るついでにお見舞いにな。物渡したら俺らはすぐ帰るから｣
俺ら？…ああ、彼女さんね…。
｢ごめんありがとう。正直めちゃくちゃ助かる｣
1度電話を切り、マンションのセキュリティゲートのロックを解除する。しばらくし、今度は部屋の入口のインターホンが鳴る。
とりあえず最低限の身だしなみだけサッと整え、ガチャりと扉を開ける。と、
『…あ、こんばんは。体調大丈夫ですか？』
彼女さん。
｢あ、ごめんねわざわざ…ありがとう｣
優希｢意外と大丈夫そうだな｣
｢それが意外と大丈夫じゃないのよ…｣
目の前に彼女さん、扉に隠れて見えないけれど、優希の声が聞こえて。ちゃんと顔みてお礼しなきゃ、と扉から少しだけ顔を覗かせる。
と、。
｢…え｣
優希｢じゃ、俺らはこれで｣
早く元気になれよ、と優希が言い、彼女さんがぺこ、と頭を下げて。2人は、わたしに背を向け帰り始める。
｢え、ちょ、｣
そしてその光景を遮るように、わたしの目の前には…
｢…なんで｣
岩｢…心配させんな。ばか。｣
わたしの言葉を待たずに、ぎゅうって、強く、抱きしめられる。
…頭の中は、とりあえず、パニック。
…待って、ここでこんなことしてたら、誰かに見られたら、！
｢ちょ、！と、とりあえず中入って｣
抱きしめられていたけれどそれを無理やり振りほどき、急いで部屋の中へ連れ込んだ。
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作者名：みらくる
| 作成日時：2024年3月29日 17時
