28 ページ28
カラオケから帰宅して、数時間が経った頃。
日付が変わるまで、電話を待ってみたけれど。
「…こないよね、さすがに」
あんなことが起きてしまったあとだから…きっと疲れてるよね。…なんかわたしも、どっと疲れてしまったし。
あれからSNSを何度かチェックしたけれど、最初は少し荒れていたけれど、照本人の写真が出回ったわけではなかったため、ガセネタとして終息していて。
ホッとしたけれど、これが芸能人か、と、なんだか痛感したのも事実で。
…せっかくまた、お互いの気持ちが同じ方向を向いていると思ったのに。
…人生、やっぱり、甘くないなぁ。
ベッドに寝転びながら、いつの間にか、ウトウト…
ふと、ブーブー鳴り響くスマホのバイブ音で目が覚めて。
…何?もう朝…?
開けきらない目でスマホを手に取り、半目で画面を確認する。
…電話…?スマホの画面の時間は、深夜2時。
こんな時間に誰…?
「…はぁい」
寝ぼけながら電話に出ると、電話の向こうから、すこし間が空いて、いひって声が聞こえて。
…ん、この笑い声…?
岩『…寝てた、よね。わり、起こした?』
「…んー…ひかるぅ?」
自分でも、寝てるのか起きてるのか、よくわからない感覚。
岩『…、可愛い。…ごめんな、寝てもいいよ』
「…んぅー…んん、…」
岩『…大好きだよ、A』
「…ん、…わたしも…」
岩『…え?、』
「……わたしも好き、…」
岩『………A、』
「…通話履歴…」
朝。起きると、身に覚えのない通話履歴。
…登録していない、見覚えのある番号。
…多分、照、だと思うんだけど。
…え、わたし、電話した、っけ?
でも履歴は残ってて…
「…まあ、いいか、。」
変なこと言ってないよね、わたし。
…うん、大丈夫。記憶にないから。何も言ってない。…何も…
好き、とか、なんか、言った気が、しないでもない。けど。
…きっと、あれは、夢。
夢…
わたし何も、言ってない、よね、?
1050人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みらくる | 作成日時:2024年3月29日 17時