恋は甘くない。(黄) (ページ26)

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「…ね、電話、鳴ってる」

そう言っても、ずっとキスする直前のまま、動こうとしない、照。

と、

prrrr

もうひとつのスマホの着信音も、鳴り響く。

…これは、偶然？

照は、ﾁｯと舌打ちをし、名残惜しそうにわたしの頬を撫でてから、電話に出て。

わたしも、自分の胸のドキドキがうるさかったけれど、電話に出て。

かけてきた相手は、

「…優希？」

珍しい。電話なんて。

｢はい、もしも、｣

優希『お前今どこ？』

なんだか少し、慌てている様子。

｢え？今カラオケ、｣

優希『…岩本さんも一緒？』

うん、と返事をすると、まじか…って、小さく返事をして。

｢…なに、どうしたの？てかあんたなんで先帰るの、！｣

優希『岩本さんがカラオケにいるって、SNSで拡散されてる』

｢…え｣

慌てて照を見ると、きっと同じような内容の電話だろう、照も、なんだか少し慌てていて。

…わたしのせいだ。わたしがこんなところに、連れ込んだから、。

震えが止まらない。どうしよう、一緒にいるとこなんて見られたら、。

照が、グループが、叩かれてしまうかもしれない。

優希に、教えてくれたお礼を言いすぐ電話を切る。

照も、同じくらいに電話を切って。

…ふいに、目が合う。

照

名前を呼ぼうとした時。

ギュッて強く、抱きしめられた。