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…結局。
彼の押しに負けてしまい…
「…なんか歌う？」
岩「…いや、…あー、うん、どうしよう、かな」
「…」
岩「…」
“ 2人になりたい”
と言われ。…お互いの家は、まず、ありえない。もちろん、俺の家くる？と提案されたけれど。速攻断って。かと言って、お腹も特に空いてないから、飲食店は…。
…となった結果。
カフェの近くにあった、カラオケBOX。
に、わたしが無理やり連れ込みました。そうでもしないと、流れで彼の家に…行ってしまいそうだったから。
岩「…なんか久しぶりかも、カラオケとか」
「…歌の練習とかで来ないの？」
岩「…スタジオがあるから…」
「…ああ、ね。」
…そうだった。わたしたち、一般人と、アイドルだった。
「…出ようか、ここ」
岩「え？なんか言った？」
椅子の隅と隅で、隣から微かに聞こえる誰かの歌声をBGMに会話をするから、小さな声だとあまりよくお互いの声が聞こえなくて。
「だから！ここ出ようかって、」
声を少し大きくすると同時に、彼が立ち上がって。
ストン、とわたしの真横に座る。
隣にいる彼を見ると、彼もわたしを見ていて。
腕が触れるくらい、近くにいる。
「…近くない？」
岩「声聞こえねぇもん」
「…だとしても、もう少し、。」
離れようとしても、元々壁の横に座っていたわたし。これ以上、離れることが出来ない。
…なんか無駄にいい匂いするし。
岩「…Aはなんか歌う？」
「こんな状態で歌えるわけないでしょ」
なんか緊張して手が震えるし。もうやだ帰りたい。
そんなわたしを見て、ふ、と横で笑う彼。
「…今笑ったでしょ」
岩「ん？笑ってねぇよ」
「…緊張するでしょ。普通。」
恋がまた動き始めようとしているのが、わかってるこの状況。…心臓ドキドキして痛いし。吐きそう。
岩「…まだ俺の事嫌い？」
そしてちょいちょい、この質問をしてくるもんだから。
「…嫌い」
岩「ひひっ。段々声ちっさくなってきてるな」
もう何を言っても、からかわれる始末。…嫌いだもん。…嫌い、だもん。
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作者名：みらくる
| 作成日時：2024年3月29日 17時
