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「………んええ？！え、い、いつ？！え待って、あの子…？！」
わたしの言葉に、にこにこしながら、うん、と頷く優希。まじか。
優希「昨日お前電話くれたじゃん？そんとき、一緒にいた」
「嘘？！ごめん、タイミング最悪だったんだねわたし…」
優希「いや別に大丈夫。…てことで俺、もうお前のこと家まで送ってやれねぇから。」
「いやいやいいよそんなの！そもそもそんなことしてもらう必要なんてなかったんだから…！」
優希「それでもお前は女なんだから。」
いつの間にか肩にあった手は無くなり、優希は帰る支度を始めていて。
「え、帰るの？」
優希「ん、実はもうそこまで彼女、来てるらしくてさ」
デート行くから、と言い、席を立つ優希。
「まじか、ごめんほんと付き合わせちゃって」
優希「いいよ俺は。…てことで岩本さん、Aのこと、よろしくお願いしますね」
そう言い、わたしの頭を一度ポンと撫で、そのままカフェを出ていく優希。
“ 岩本さん”
優希の言葉に、ハッとする。…そうだ、今わたし、優希と2人じゃなかった。…いやてか待って？！婚約者のフリは？！彼女できた♡じゃねぇよ！！
「ちょ、優希…！」
岩「A」
名前を呼ばれ、その声の主の方を見る。
…目が、笑っているようで、笑っていない。
「…あー、ははは。あの、じゃあわたしも帰ろうかな…」
そのタイミングで、
『おまたせいたしました』
注文していたドリンクやケーキが届いて。
ちら、と彼の顔を見れば、多分、ずっと、わたしのことを見ていて。
「…あの、一夫多妻制というものがありましてですね…」
自分でも呆れるくらい、変な言い訳。それでも彼の目は、ずっとわたしを捕らえて離さない。
岩「…じゃあ話そっか。“ 一夫多妻制”について」
いじられてるじゃんわたし。
形勢逆転。
蛇に睨まれた蛙状態。
わたし、The END。
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作者名：みらくる
| 作成日時：2024年3月29日 17時
