☆*。 ページ8
岩「…で、なんか聞きたいこととかあんの?」
電車で隣に座ると、また唐突に質問してくる。
聞きたいこと…?
岩「…彼氏作るとか、なんとかってやつ」
あ、そっか、そういえばそういう目的で岩本くんと話すことになったんだっけ。
「…どうしたら出会えるのかな、って。そもそも出会いなくて。」
岩「出会いねぇ。まあ色々あるんじゃん?」
「え、っと。なんか、漫画でよくあるのは幼なじみとか」
岩「…俺とAさんみたいな?」
「あ、うん、確かにそう。あとは…同級生、とか」
岩「……俺とAさんみたいな?」
「ああ、うん、そうそう!あとは…友達の紹介とか」
岩「………俺とAさんみたいな?」
「…そっか、確かに、深澤くんから紹介されたもんね…あはは!岩本くん、全部当てはまってるね!」
なんて笑ってると、岩本くんはそんなわたしとは対照的に下を向いてしまっている。
…つまんなかったかな。
「ごめん、つまんなかったね、こんな話」
岩「…や、つまんなくはないんだけど…なんかあいつらの言ってたことわかるなと思っただけ」
あいつら…?深澤くんたちのこと?
岩「…ほんと、鈍感だね」
「え、やっぱそう思う?」
うん、て即答する岩本くん。まじか。
「…岩本くんは?今までいた彼女とかって、どーやって出会ったの?」
岩「…幼なじみとか、同級生とか、友達の紹介とか。」
ええ、ほんとにそんな風に出会う人いるんだ…じゃあなんでわたしにはないんだ…?
眉間に皺を寄せながら考えるけど、わかんなくて。
岩「…ふ」
「…え、今笑った?」
色々考えてたら岩本くんに笑われた。なんで?
岩「ん、なんでもない。可愛いなって思っただけ」
「…可愛い…?」
…誰が?????
岩「…はは、ごめん、俺もっと頑張るね」
そう言い、わたしの頭をぽんて撫でると、なんだか満足したように笑っていて。
「…は、何に頑張るの?わかんないんだけど…」
結局岩本くんはそれについては教えてくれなくて。
…いや、頑張らなきゃいけないの、わたしだよね?
「…岩本くんて変わってるね」
岩「くくくっAさんに言われたら終わりだわ」
「悪口じゃん」
…なんか岩本くんて、もっと怖いのかと思ってたけど。
…結構、笑うんだな、なんて。
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作者名:みらくる | 作成日時:2024年2月27日 16時