彼氏の作り方。(黄) (ページ7)

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☆*。ページ7

帰り。帰宅部のわたしは直行直帰。

…のはずだったんだけど。

岩「今日暇？」

岩本くんに、帰り際話しかけられて。

…今までこんなことなかったから。なんか、変な感じ。

「あ、うん、帰るだけだから暇だけど、」

岩「んじゃ一緒に帰ろ」

校門で待ってる、って言われて、そのまま先に教室を出ていく岩本くん。

深「お、早速彼氏の作り方講座スタートですか？」

深澤くんがそんな様子を見ていたのか、話しかけてきて。

「ね。小学校からもう早10年くらいの付き合いになるけど…あんなふうに話しかけてきたの初めてだよ」

小1から高２までずっと学校同じなのに、ほぼ話した記憶ないって。

たしかによく考えたら凄いよね。

深「ゆまさんとなのさんに怒られると怖いので成功させてください」

あの2人の勢いに押されたのか、何故か敬語。

「ふふ。うん、なんかありがとね深澤くん」

そう言うと、なんだか満足気に部活へ向かっていって。

深澤くんに関しては、高2で初めて会ったのに、なんだかもう普通の友達。

コミュ力おばけだな。

あ、いけない、岩本くん待たせちゃってるんだ。

急いで教室を出て、校門へ向かった。

「ごめん！お待たせしました」

走ってきたため、少し息を切らしながらそう言うと、岩本くんはくくっと笑って。

岩「走ってきたの？」

「ん。深澤くんと話してたら遅くなっちゃったから」

わたしの言葉に、ぴくっと反応する。

岩「…昨日も思ったんだけどさ。ふっかと仲良いの？」

「え？うーん、仲良い、のかな。高2になって初めて話したけど…ゆまとなのちゃん、深澤くんと去年同じクラスだったみたいで。その流れでわたしも話すようになった感じ」

わたしがそう言うと、ふーん、となんだか納得したようなしてないような。

岩「甘いもの好き？」

唐突な質問。

「甘いもの？うん普通に好きだよ」

岩「俺ん家の近くに新しくカフェ出来たの、知ってる？」

小学校が同じ岩本くん。

だから地元は同じなんだけど、岩本くんは学区外の子だったから、わたしの家とは少し離れていて。

「岩本くん1区の方だっけ？そんなとこにカフェ出来たの知らなかった」

岩「じゃ、行こ」

帰り道だから、って。

同じ電車に乗り込み、同じ駅で降りる。

…なんか、10年前から岩本くんのこと知ってるのに、こうして話すのはほぼ初めてだから…なんか、緊張する。