彼氏の作り方。(黄) (ページ38)

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☆*。ページ38

岩「…俺さ、好きとかっていう気持ちがどういうものなのか、正直よくわかんなくて。告られても、その子のこと好きなのかって言われれば多分、好きじゃなくて。…付き合ってみたらわかるのかなって思ったりしたんだけど…やっぱりよくわかんなくてさ。」

…岩本くん、。

「…拗らせてるね」

思わず出てしまった本音に、ハッとしたものの、時すでに遅し。

岩本くんも小さく、え、って言ってから、黙ってしまった。

…やばい。お前の方が拗らせてるだろって思われたかな。

「…あ、岩本くん、ごめん、あの」

あははははっ！

って。電話の向こうから、岩本くんの聞いたことないくらいの大笑いが聞こえてきて。

ゆま「ねえちょっと。辰哉の電話の向こうから岩本の聞いたことない笑い声聞こえるんだけど」

深澤くんと電話しているゆま。

その深澤くんと、同じ部屋にいる岩本くん。

…なんか、カオスな状況だな、これ。

「っい、岩本くん、！そんな笑わなくても…！」

岩「っふは、ごめん…！まさかそんなこと言われるなんて思ってなくて」

まだ少し笑いが残っている岩本くん。良かった、怒ってはなさそうだ。

岩「…あーおもしろ。まあうん、そうだね。拗らせてるんだと思う」

「う、なんかごめん」

岩「ふはっいやまあホントのことだし。…まあだからこそ、今回のこの気持ちは本物かなって思ってるんだけど」

「…本物の気持ち？」

岩「…言ったでしょ？俺、告白したことない、って」

…前ちらっと、なんかそんなこと言ってたっけ。

岩「…Aさんが、初めてなんだ。こんな気持ちになるの」

ドクン

岩本くんの真っ直ぐな気持ちが、わたしの心に響いて。

鼓動が速くなる。この気持ちは、一体…？

「…岩本くん、あの」

岩「…ん？」

優しい声。…なんでかな、安心するのは。

「…イルミネーション、見に行きたいの」

岩「…イルミネーション？まだ夏だよ？」

ははって笑う岩本くん。

「…彼氏とね、行くのが夢なの」

わたしの言葉に、小さく、そっか、って相槌を打ってくれて。

岩「じゃあもしそれまでにAさんに彼氏出来なかったら…俺と一緒に行こうね」

岩本くんのその言葉が、なぜだかとっても嬉しくて。

彼氏出来なくてもいいや、って、思っちゃったのは、岩本くんには内緒にしとこう。