☆*。 ページ32
わたしの質問に、横を並んで歩いていた岩本くんは足を止めて。
岩本くんを見ると、わたしのことを、真っ直ぐ見ていて。
少しだけ、沈黙が流れる。
｢…ごめん、言いたくなかったら、言わなくてもいいんだけど、。｣
ちょっと気になっちゃって、って笑って言うけど、岩本くんはずっと真顔のまんま。
｢…岩本くん｣
帰ろう
そう言おうとした時。
岩｢…好きなんだ。Aさんのこと。｣
｢…え｣
…今のは、幻聴？
誰が、誰を、好き、？
岩｢…彼氏作るの手伝うとか言っときながら。…俺がAさんの彼氏になりたくて。…でも、Aさんは、俺の事…、｣
好きじゃないよね、って。悲しそうな声で、そう呟く岩本くん。
どうしよう、どうしたらいいの？これは、告白？なんて返事をすればいいの？何を伝えればいいの？…わかんない。
｢…、っあの、｣
岩｢…今はまだ、このままの関係でいい。…もし、Aさんに他に好きな奴が出来たら、その時はその恋を応援する。…だから…Aさんのこと、好きでいても、いいかな、？｣
…すごく、ドキドキするし、岩本くんのこと、かっこよく思える。
…でも、
好きなのかと聞かれれば、…答えは、出なくて。
そんな気持ちで付き合うのはきっと、岩本くんに、失礼な気がして、。
｢…岩本くん、あの、…ごめん、なさい｣
絞るように出した言葉に、岩本くんは、ふっと笑って。
岩｢…うん。大丈夫。俺、頑張るから｣
そう言い、岩本くんは再び歩き始めて。
｢っえ、い、岩本くん、どこ行くの｣
岩｢ん？家まで送ってくって言ったでしょ｣
そのままてくてく歩き出す岩本くん。
｢え、え？！いや、で、でも｣
気まずいよね、こんなの。
岩｢…言ったでしょ？俺頑張るって。｣
｢…うん？｣
岩｢好きな子に、好きって思って貰えるように。アピールしてかないと｣
｢…へ、｣
にこ、と笑い、また歩き出す岩本くんの少し後ろを、必死に着いていく。
…こういうものなの？わたしが好きになるまで、岩本くんは、わたしを好きでいてくれるの？
…わかんないよ、。
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作者名：みらくる
| 作成日時：2024年2月27日 16時
