☆*。 ページ24
ルミさんが帰ったあと、なんだかやっぱり岩本くんと話すことに抵抗が出てしまう。
…フウカちゃんのときもそうだったけど…なんでか心がモヤモヤするというか、。
渡｢…なんでお前がいんだよ｣
厨房でお皿洗いのお手伝いをしていると、裏口から、この前わたしをサルと呼んだ男の子が入ってきて。
岩｢今日からここでバイトするから｣
よろしくな、とその男の子に言ってくれる岩本くん。
そんな岩本くんとわたしを交互に見るその男の子。
名前は…えっと、
｢…すいません、お名前なんでしたっけ｣
渡｢…は？言わねぇよ。てかお前が先に言うだろ普通｣
…ああ、確かに。わたし名乗ってなかったね。
｢Aです。よろしくお願いします｣
ぺこ、と頭を下げると、ふん、とそのままどっかへ行ってしまう。え、名前教えてくれないの？！
『こーら翔太！これから同じバイト仲間なんだから。仲良くしてやれって』
店長さんに言われ、すっごい渋々、はい、と返事をする翔太 と呼ばれた男の子。
｢…翔太くん、あの｣
渡｢…気安く名前呼ぶな｣
｢…だって苗字知らないから｣
渡｢渡辺 だよ！サル！｣
｢…っわたしがサルなら翔太くんだってサルじゃん！人間元々はサルなんだからね！｣
渡｢うるせえ！｣
何この男！なんか嫌い！…でも。
｢…色々教えてください。よろしくお願いします｣
これから一緒にバイトするんだもん。仲良くしないとだよね。
渡｢…ふん｣
…やっぱり嫌いだ。
バイトはというと、お客さんも店長さんもみんないい人で。
ルミがいなくなるのは悲しいけど、新しい子も元気でいいなぁ！なんて言ってくれるから、なんだか頑張れる。
『へいらっしゃあせー！』
｢あ！へ、へいらっしゃせー！！！｣
渡｢…うるさ｣
『おい翔太ぁ！お前もあれくらい声出せよぉ』
お客さんにからかわれ、出してますよ！って笑いながら対応してる翔太くん。…なんだ、あんな風に笑えるんじゃん。なんでわたしにはあんなぶっきらぼうなんだろ。
｢…ねえ岩本くん｣
岩｢ん？｣
｢…わたし翔太くんに嫌われてるのかな｣
岩｢…なんで？｣
｢…なんかあんまり話してくれないから｣
岩｢…翔太は女の子に対してはみんな最初はあんな感じだよ｣
…そうなんだ。でもなんか、寂しいな。
ﾎﾟﾂﾘ
｢…仲良くしたいのにな｣
岩｢…、｣
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作者名：みらくる
| 作成日時：2024年2月27日 16時
