STEP6 ページ15
わたくし、A A、初めてのアルバイト、始めました。
事の発端はというと。
いつもの帰り道。岩本くんにした質問がきっかけ。
「岩本くんの歴代彼女の出会ったきっかけが知りたいです」
岩「…なんで？」
「なんでって。どんな出会いがあったのかなって。だって基本、学校しかないじゃん。でもわたし出会わないじゃん。もう無理じゃん」
だから学校以外で付き合った子を教えて！って、確かに謎な質問なんだけども。
岩本くんも、渋々だけど答えてくれて。
岩「えー……バイト、とか？」
バイト…！！！盲点だった！
「バイト！したことない！」
岩「逆にしてもいいの？親怒らない？」
「…わかんない！でも聞いてみる！」
社会勉強とか適当なこと言ってバイトの許可貰おう！
母「ダメです」
「…っなんで！」
母「勉強もろくに出来ないのに何がバイトよ。お金に困ってるの？」
「そういうわけじゃ、」
じゃあダメ、と話も聞いてくれない母。
岩「おはよ。バイトどーだって？」
朝。岩本くんに早速その話題を振られ、ちら、と横目で目が合うけど、すぐにそらす。
岩「ああ、ダメだったのね笑」
なんでかちょっと安心してる岩本くん。
「…なんかいい方法ないかなぁ…」
バイトなんてさ、よく考えたら出会いの宝庫じゃん！
バイト仲間、店長、…お客さん。
出会いが！たくさん！やっふい！
なの「バイトしたいの？なんで？」
ゆま「お金ないんか」
「…お母さんと同じこと言ってくるじゃん…」
机で項垂れていると、なのちゃんとゆまに話しかけられる。
なの「わたしの彼氏のバイト先紹介しよーか？」
なのちゃんの言葉に、バッと頭をあげる。
「っえ？！どこでバイトしてんの？！」
なの「3つ先の駅の近くのラーメン屋さん。涼太くん雪岡高校だから」
なのちゃんの彼氏、涼太くん。
お隣の高校で、なのちゃんのお兄ちゃん経由で仲良くなって、付き合ったらしい。いいな。お兄ちゃんの紹介っていう手もあるのか。お兄ちゃんいないけど。
岩「…え、そこって丸岡屋っていうラーメン屋？」
わたしたちの話に、岩本くんが反応する。
「ラーメン好きなの？」
岩「や、うん、好きだけど」
なの「そうだよ、丸岡屋」
まじか、って岩本くん。
岩「…俺もそこでバイトしてんだよね」
ええ？！っとなのちゃんとゆまとわたしで大きな声を出してしまう。クラスのみんなビックリしたよねごめん。
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作者名：みらくる
| 作成日時：2024年2月27日 16時
