☆*。 ページ12
靴箱へ行くと、岩本くんがいて。
岩「あ、良かった。まだいた。」
「あ、ごめん。待っててくれたの？」
うん、と頷く岩本くん。…なんだかフウカちゃんの言葉が気になって、ついじっと見てしまう。
岩「…なんかついてる？俺の顔」
「え？！いや、別に、なにも」
…てかわたし、岩本くんと一緒に帰るとか、やばくないか？
フウカちゃんにさっき、ちょっかいかけるなって言われたばっかなのに。
…いやちょっかいはかけてないんだけど。
岩「…帰んないの？」
なかなか歩き出さないわたしに、岩本くんが声をかけてきて。
「あ、いや…一緒に帰るの、やめた方がいいかなって」
岩「…なんで？」
そりゃなんで？ってなるよね、いきなりこんなこと言われたら。
「…あー、えと、岩本くんはまだその、フウカちゃんのこと、好き、なのかなって、あは、思って」
苦笑いしながらそう言うと、岩本くんが眉間に皺を寄せていて。
…あ、ちょっと、怖いかも。
岩「…なんか言われた？あいつに」
「…や、言われた、のかな、うん、なんだろ、」
正直に話していいものなのか、よく分からなくて。
元カレと元カノの関係性って、どういうものなのか、わかんないし。元カレいないし元カノになったこともないから。
…でもきっと、フウカちゃんはまだ、岩本くんのことが好きで。
だったらわたし、岩本くんに近づかない方が、。
なんて思っていたら。
ぐいっと手を引かれ、半強制的に歩かされる。
「ちょ、岩本くん、！」
岩「何言われたのかわかんねぇけど。…俺が、好きでAさんと帰ってるんだから。誰に何言われても関係ねぇよ」
なんかちょっと怒った口調。わたしのせい、だよね。きっと。
「…ごめん、岩本くん」
わたしがそう言うと、ピタッと止まり、手を離してくれて。
岩「…あー、ごめん、俺のせいなのに。…一緒に帰りたい。いい？」
さっきまでの怒った表情と違って、急にきゅるんとわんちゃんみたいな瞳でそう言ってくるんだもん。…そんなの、。
「…ダメって言えないよ」
そしたらにこにこになって、横で一緒に歩く岩本くん。
…なんだか可愛いなって思ったと同時に、胸がキュンてしたのは、気のせいだよね？
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作者名：みらくる
| 作成日時：2024年2月27日 16時
