ホワイトガール2

. ページ16

「それじゃ今日１日、静岡に行ってきます」

今日は静岡に、畑の新マネージャーの方への教育係として行く日。

て「…」

虫「うん、気をつけてね」

り「また時間空いたときでもいいから連絡して？」

と「無理すんなよ」

「ふふ、たった1日だけですからそんな心配しなくても」

て「…やっぱやだーーーっ！」

「っへ、」

突然てつやさんが騒ぎ出し、ぎゅ、と身体をホールドされる。

新幹線の時間もあるのに、なかなか離してくれなくて。




い「こーなるんよなぁ、結局」

「いくと先輩、すいませんほんと…」

い「いやいや、Aは1ミリも悪くないから笑」

…結局あのあと、ほかのメンバーさんがてつやさんを拘束してくれて←

やっとの思いで駅まで駆けつけたけど、新幹線に間に合わず。

…今、いくと先輩が静岡まで送ってくれている。

い「ほんとてっちゃんこまったさんだね」

「なんであんなわたしのこと心配してくれるんでしょうか…」

い「いや心配ていうか、。」

「？」

い「…なんでもない」

いくと先輩とは、買い出しに一緒に行ったり、撮影を手伝ったりしてるため、なんだかんだ一緒にいる時間も長くて。

高校生の時は、部活しか接点もなかったし、1年と3年ですぐにいくと先輩は引退してしまったし。

「…なんか、不思議な感じですね」

い「ん？」

「高校の時よりも、今の方が濃い時間過ごしてる気がして」

い「あーそうだねぇ。先輩たちに囲まれて大変だけど笑」

「いくと先輩、優しいのに彼女いないんですか？」

い「…あー、いや。好きな子は、いるけど」

「え！そうなんですね！…いいなぁ、」

い「…あのさA」

「はい」

い「…あの、俺…」

〜♪

「あ、すいません電話…てつやさんからだ」

い「…ここまで邪魔してくるか…」

「え？」

い「あ、いや。…電話、出て？」

電話に出ると、てつやさんがなんだかずっとわーわー言ってて。

戻ってこいだのいくとになにかされてないかだの。

電話の向こう側でメンバーさんが、呆れた様子なのもわかる。

…でも不思議と、ふふ、と微笑んでしまって。

てつやさんのこういうところ、嫌いじゃないな、なんて。

思い始めている自分がいて。

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す