いちごミルクな彼女３

やっぱりあなたは ページ6

やっぱりいちごミルクは甘いな…
可愛いって難しいな…


江「この店って、個室っぽくなってていいね」

「そうですね」


他の人の会話は聞こえるけど、顔があまり見えないようなつくりになってるから
あまり顔バレの心配をする必要がないのが嬉しい


江「あ、飲み物があるうちに一緒に写真撮っていい？」

「は、はい」


自然と距離が近くなって、カメラを向けられる


江「はいチーズ」


急に距離が近づいたから少し笑顔がぎこちなかったかも…


江「ありがと！後で送るね！」

「あ、ありがとうございます」


何回か一緒に写真を撮ることはあったけど、
まだこの距離には慣れない



江「ここまた来ようかな〜」

「気に入ってもらえたみたいでよかったです」

江「コーヒー美味しいし個室っぽいから、すぐ気に入った(笑)」


私もまた個人的に来ようかな
香菜ちゃんにも感想言っとかないと


江「…」


江口さんがスマホを見てる間、静かに息を吐き気持ちの準備をする

香菜ちゃんとの約束を守らなきゃ…

ただ一言「名前で呼びたい」って言うだけなんだから
勇気出して言わなきゃ…



「…」



江口さんがスマホから目を離すタイミングを見計らうけど、
何かを真剣に見てるみたいでなかなか話しかけられない



ちょっとだけ、寂しいな…


2人で会ってる時にスマホを触らないでっていうわけじゃないし、
それがもし仕事のことならむしろそっちを優先して欲しい

けど、何をしてるのか何を見てるのか気になってしまって
それを共有できたらなって思ってしまう



江「Aちゃん、どした？じっとどこか見てたけど」

「あ、いや、えっと…」


もしかして、今がチャンスだったりする…？
言っちゃってもいい…？


江「なに？」

「えっと、その、江口さんにお願いがあるんですけど…」

江「うんうん」

「あの…、これからは、江口さんのこと下の名前で呼んでもいいですか…？」


い、言えた…！！

恥ずかしすぎて直接顔見れないけど、
なんとなく江口さんが戸惑ってるのは伝わる

まだ早かったのかな…



江「え、えっと、本当に呼んでくれるの？」

「江口さんがよければですけど…」

江「もちろんいいに決まってるじゃん！というか下の名前で呼んで！」

「い、いいんですか…？」

江「うん！今呼んでみて！」

「い、今ですか！？」

江「ほら、早く！」


息をふっと吐き、心を落ち着かせる



「た、拓也さん…」

江「ありがとう、A」




ほら、あなたはずるい人だ

そういうこと？　江口拓也→←一緒にいたい気持ち

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