いちごミルクな彼女３

伝えて、伝わる ページ15

ラジオの放送局に向かう間に梶くんに電話を入れるとすぐに出てくれた

開口一番お互いがすぐに謝って、
本当に友達として仲が良くてやましいことなんて何もないんだから
この場をなんとかやりすごそうって話になった


拓也さんには直接謝りたかったから、今日の夜時間がないかだけのメールをいれる



ﾏﾈ「A、あの写真どういうことなの？」

「あれは本当に何かあったわけじゃなくて、急に梶くんがあぁしてきて「友達から親友になったハグ」だって言ってました」

ﾏﾈ「友達から親友ねぇ…」

「昨日の夜は結構深いところまで話したから、友達から親友になったって言ったんじゃないかなぁと…」

ﾏﾈ「まぁ、とりあえずは社長に言われた通りに話しなさい。どっちみち誰も信じないと思うけど、あなたたちのファンは理解ある人だって信じてるから」

「もちろん私もです」


私と梶くんがただの友達っていう事実は存在するんだから
何も怖がることなんてない、よね…？



ﾏﾈ「A、着いたわよ」


マネージャーの後ろをこそこそと歩いて放送局の中に入ると、
タイミングがいいのか悪いのかDGS収録前の神谷さんと小野さんが打ち合わせをしていた


神「あれ？Aちゃん今日収録だっけ？」

「えっと…」


2人にはまだ話がいってないみたいで、すごく不思議そうな顔をしていた

嘘をつくわけにはいかないので少しかいつまんで事情を説明する



小「なるほどねぇ…」

神「今から一人で収録なんでしょ？大丈夫？」

「多分、大丈夫です…」

小「もしあれならさ、DGSで話しちゃう？」

神「小野くんは黙ってて」

小「あ、はい…」


神「Aちゃん」

「はい…」

神「俺は経験者だから今のAちゃんの気持ちがよくわかるよ。ファンの方に直接自分の口から言うのって勇気いるし、誤解を招かないようにって言葉を選ぶのにも緊張するよね。けど大丈夫、みんなAちゃんのことちゃんと分かってると思うし、素直に伝えればちゃんと伝わるから」

「…ありがとうございます」


神谷さんの言葉を聞くだけで自然と心が落ち着いてきて、
頭の中も自然に整理されていく



神「諏訪さーん」

諏「はいはい、わかってるよ」

小「あざまーす！」

「？？？」


神「すぐ収録始まるんでしょ？行っておいで。俺らがちゃんと隣にいてあげるから」

「え、でもDGSは…」

小「諏訪さんがOK出してくれたから大丈夫！」




諏訪さんを見ると、静かにウインクしてくれた

神「おえっ」

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