いろめく季節 3 #masai ページ14
わたしがそれに気づいたのは、もう夕方のこと。仕事中はよっぽどの事が無ければ携帯は見ない。
仕事が終わり、帰り支度しているとカバンの中で受信を示す点滅。珍しい…お母さんかな？といつも通りに確認しようとすると、驚きの余り危うく手から携帯が滑り落ちそうになる。
マサイさんからだ、
先日居酒屋で出会い、成り行きでお酒の席を共にしたけど。Fischer'sって本当にいたんだ、と信じ難い目の前の光景、その人たちに混ざる、わたし。余りの非日常空間に戸惑い、タイミングが図れず直接連絡先を聞く迄に至らなかった。が、モトキの仲介により連絡先を知ることは出来た。それでも、連絡の必要を迫られる事由もなければ、送る勇気がなかった為に何のアクションも起こせずにいた。ああ、このまま何も起こさず日常に戻るのか、と少しの寂しさを抱き始めたタイミングで来たマサイからのキッカケ。
みのりさん、先日はありがとうございました。楽しかったです。
淡白な文面ではあるが、元々そんなに文字の遣り取りをしてこなかったみのりには、それでも嬉しいものだった。本当のことを言えば、実はマサイファン。況してや、そんな手の届かない場所にいると思っていた相手と遣り取りできているなんて。知らず識らずのうちに頬が緩む。
あ、返事。しなきゃ。
どのくらい眺めていたのか。ハッとして、返信を打とうと試みる。しかし、何と返せばいいか直ぐには思い浮かばなかった。こういうのにも経験値って必要なのか。既読してしまったため、そのままスルーする事が躊躇われ、お礼の言葉を打ち込む。そのあとは。
こんな事送っちゃっていいのかな。気持ち悪いと思われるかな。そんなつもり無かったって困らせちゃうかな。
お礼を伝えたあと伝えるべきか否か迷い、暫しの間を開けて次の言葉を。
マサイさんが良ろしければ、またご一緒出来たら嬉しいです。
わたしこういう事、言うの初めてだけど、でも。正直なところ、もしこれで拒絶されたとしても、まだ後戻りは出来る。まだ。誰にも気付かれてない、自分でも気付かないうちに芽生えていた淡い気持ちに予防線を張って、蓋をして。色々な覚悟を決めて送信ボタンを押す。その手が少し震えていたことは見なかった事にした。
、
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xokimichikory29(プロフ) - かなとさん» お教え頂き、ありがとうございました！まだまだ不慣れで手探りなもので、気づきませんでした。申し訳ありません。 (2019年8月5日 18時) (
レス) id: df98532389 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年8月5日 10時) (レス) id: 268a9b2673 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃん | 作成日時：2019年8月5日 10時
