9と3/4番線 ページ3
.
手紙が届いて約二週間。私は今ロンドンのキングスクロス駅にいる。
もちろん御見送りはアメリアだけ、お父様はお忙しいし、「なぜ私がお前の見送りに行かねばならない」と一言二言、苦言を溢すに決まっている。
家を出る前だって、「ハッフルパフの奴らとは会話を交えるなよ」なんてことを言っていたし。
わざとハッフルパフに入って家出してやろうかと言いそうになったけれどなんとか抑えた私をほめていただきたい。
うんうんありがとう。
『アメリア、お見送りはここまででいいわ。』
「分かりました。お体には気を付けて、あんまり夜更かししては駄目ですよ」
『ふふ、貴方も元気で。』
.
.
『本当に人が多い…、アメリアを帰しておいて正解だった。』
きっと体の小さい屋敷しもべが長い時間此処にいたら人ごみに飲まれてしまうだろう。
見渡してみると様々な人種の人々がいる。
赤毛だったり、そばかすがあったり、真っ白だったり真っ黒だったり。普段あまり家から出ないからとても新鮮だったのもつかの間、よそ見をしすぎたのか前からきた人とぶつかってしまった。
「あっご、ごめんなさい ！！」
『こちらこそごめんなさい ！ …貴方、そんなに深くフードを被っていたらまたぶつかるんじゃないかしら』
「……」
『…周りに顔を見せられないような理由があるのね ？』
少年と思われるフードを被った目の前の人物は大きく頷いた。
人にぶつかりまくってたらいつかひどい目に合いそうだと思った私は、彼の手を取って一番後ろの車両に乗った。
「君、何してるのさ ！」
『顔を見られたくないなら、速く列車に乗ったほうがいいかと思って。要らないおせっかいだった ？』
返事を待っていれば列車から汽笛の音がする。ちょうど出発の時間になったのだろう。
私をどこまででも連れて行ってくれるような感覚に陥ることができるから、汽笛の音は好きだ。
「…ありがとう。」
『いいの、 私はA、貴方は ？』
「僕、叶。驚いた、僕たち同い年なんだね。君大人びてるから年上かと思った」
『そう ？それよりも…』
’どうして顔を見られたくなかったの ？’
そう聞こうとしたとき、後ろのほうからガシャンと物音がした。
おかしいことに気づくだろうか。私たちは、一番後ろの列車に乗り一番後ろのコンパートメントにいる。
これ以上後ろには降りるときに使用する階段しかないはずなのに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 453人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あぶりかぶり(プロフ) - イカワウソさん» 確かにｗｗｗｗでもねホントにご本人が「僕かなちゃん」って言ってたのよ絶対に！！！探してみ！！ (2月13日 23時) (
レス) id: 54d43eec80 (このIDを非表示/違反報告)
イカワウソ(プロフ) - 僕かなちゃんってｗｗｗデカハナチャンみたいにｗｗｗ (2月13日 8時) (レス) @page8 id: e082f267fd (このIDを非表示/違反報告)
あぶりかぶり(プロフ) - マニ。さん» マ二。さんこんにちは！ハリポタは上映から何年たっても沼から抜け出せませんよね笑！！私で良ければお話ししましょう〜！ (1月6日 1時) (レス) id: 54d43eec80 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - あぶりかぶりさん» ✉️。面白い作品ですね、嫌じゃなければ一緒にボードで会話しませんか？これからも更新応援してます、ハリポタ大好きなのでこれからも応援してます！あぶりかぶりさん！ (1月5日 15時) (レス) @page1 id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
あぶりかぶり(プロフ) - 月宮まるさん» 暖かいコメント有難うございます！私自身もく/ろ/の/わのお二人とhrptの世界観が大好きなので、そう言っていただけると本当に嬉しいです！！ (1月1日 23時) (レス) id: 54d43eec80 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あぶりかぶり x他1人 | 作成日時：2023年12月30日 18時
