転校生の君 4 (ページ10)

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逃げたら…ダメ…

何も言ってないけど、ルハン君はまた座り込んだ

そしてルハン君はセフン君のブレザーを指差して首を傾げた

｢…先生に…やられたの｣

ルハン君はブレザーに手を伸ばして中を見た

LH｢……やっぱりダメだよ｣

…え？

座ったと思ったら、また立ち上がったルハン君

LH｢だからこそ逃げなきゃ、別のところ行かなきゃ｣

……怖い

…逃げて見つかったら？

逃げなくても捕まる

どの道も行先は同じ

｢…っ！｣

何もしない私の腕を掴んで引っ張って歩き出したルハン君

私はルハン君に従って歩く事しかできなかった

.

……？

連れてこられたのはサッカー部の部室

ここに来る途中の道

…チャニョルさん待ってたんだっけ

久しぶりに感じると同時に胸が締め付けられる

……少しでも信じた私が馬鹿なんだもん

ルハン君は私の腕を離して部室に入って行った

なんだろう

ちょっと覗いてみると、ルハン君が笑顔で振り向いた

LH｢臭いから入らない方がいいよ｣

そう言われなんとなく外で待つことにした

少ししたらルハン君は出てきて私に何か差し出してきた

……ジャージ？

LH｢それじゃ目立つし、恥ずかしいから着なよ

臭かったらごめん｣

私は受け取って着ることにした

……

フワッと香る匂い

チャニョルさん…じゃない……

今までチャニョルさんの香りしか知らなかったから少し新鮮な気分だった

ルハン君が笑顔でこっちを見て、行こう、と

私はルハン君の後ろについて行った

LH｢…セフン、何もされなかった？｣

ルハン君の後ろにいたのにいつの間にか隣を歩いていた

私が頷くと微笑んで、よかったって言ってる

｢…友達なんだね｣

久々にルハン君と話して、胸がムズムズする

LH｢なんかアイツが付きまとってくるだけだよ

そうだ、体育館行こう！セフンのところ！｣

付きまとってくる…。

よく分からないけど、
ルハン君の顔がパーッと明るくなった

｢体育館？セフン君？｣

LH｢アイツはダンスやってるんだよ

さっきリハーサル始まるらしくていろんな人が探してたんだ｣

…あぁ、だから焦ってたんだ

ダンス…………

想像もつかない。

あんなに細くてか弱そうなのに…？

ルハン君は笑いながら私を見ていた

LH｢めっちゃうまいよ｣

少し楽しみになってきた