転校生の君 4 (ページ42)

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………………

言えない

付き合ってるフリなんてしても意味がない、なんて

ギョンス君はまた私の指を絡めて隣を歩く

緊張してるけど、ギョンス君は何も思わないのかな…

ギョンス君が私のために付き合ってるフリをしてくれているのに

声を掛けてくれたのもギョンス君

こんな事やっても意味ないよ

そんな事言えない

昨日、怖かったよギョンス君。

噛まれて、舐められて…気持ち悪かった

チャニョルさんなら何も言わず笑顔で声をかけてくれたんだろうな…

…って何言ってんの。

何処に行く宛もなく、外でふらふら歩く事にした

…外なんて来なければよかった

後悔した

遠くに映るチャニョルさんと彼女さんの姿

DO｢…行こう？｣

ギョンス君は私の手を引っ張ってくれるけど、足が動かなくて目をそらす事も出来なかった

彼女さんの顔を見て優しく微笑んでるチャニョルさん

あの顔も全部、

…っ

苦しい

今まで向けてくれた顔

私だけ特別なのかと思ってた自分を殺したい

本当に馬鹿

幸せそうに笑っていると、徐々に近付くチャニョルさんの顔

"好きな人にしか自分からしないから"

いつしかチャニョルさんの言っていたことが頭にリピートされる

くっ付く二人の唇

チャニョルさんから近付いたから、

本当に好きな人なんだね

…はは…

……っ…なんか辛い…

すると思いっきり腕を引っ張られ、動かなかった足が倒れるように前に進んだ

…ギョンス君…

後ろ姿からどんな感情なのか読み取れない

校舎の中まで何も言わず引っ張られ、黙ってついていくしかなかった

頭に残る二人の姿

思い出しては苦しくなって、今までのチャニョルさんと過ごした時間が頭に流れていく

しばらく歩いたあとギョンス君は立ち止まって私の方に体を向けた

少し息切れしてるギョンス君

DO｢辛いなら見なければいいのに｣

そう言って私の顔に手を伸ばした

…？

DO｢俺じゃダメ？

チャニョルじゃなきゃ、ダメ？｣

…

…私泣いてるの？

別にチャニョルさんのことが好きな訳じゃない

チャニョルさんのことが好きなら、ギョンス君の事も好き。

こんな事を言われたら余計に言えない

こんなのやめようって

DO｢なんでもない｣

ギョンス君は少し微笑んで数回頷きながら私の頭に手を乗せた