転校生の君 4 (ページ37)

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とりあえず俺は急いでAの元に向かった

……お願い

二人の後ろ姿が見えてきて、苦しくなった

ギョンスはいつも通りの顔で

Aは照れくさいのか気まずいのか、目が泳いでる

下を見ると、絡められた指

…

本当に付き合ったんだ

また

まただ

Aに裏切られたような気分になるのは2回目だ

LH｢付き合わない欲しかった｣

気付けばこんな事言っていて。

あの時も今も

Aの自由なのに

どうしてこうなっちゃうんだろう

.

声を掛けられても、冷たく返してしまったことに後悔

優しく返していれば、こんな変な空気なくなってたかもしれないのに。

｢ありがとう｣

そう言って、俺にジャージを差し出してきた

LH｢…ん｣

……どうしたらいい？

ギョンスと付き合ったんだね！おめでとう！って言う？

……そればかりは俺が拒んでる。

｢…ごめんね、ありがとう｣

隣からそんな声が聞こえてきて、目を向けるとAがジフにタオルを渡していた

……え？

確かにあれはジフのタオル

…何でAが持ってるんだ？

するとジフは少し目を泳がせてタオルを受け取った

JH｢…赤いけど｣

そう言いながら自分の首を指さした

……首？

Aの首を見ると確かにほんのり赤くて、所々に濃く赤い痣みたいなのが出来ていた

………………？

ジフとAって…仲良いの？

…え、でも…

モヤモヤする中教室に飛び交う歓声

…チャニョル

チャニョルはAの言ってることなんて聞かず、手元も見ず財布を振り払った

お金が散らばる音が響いた

…あーあ

きっと、コイツらには何も聞こえていないんだろうな

散らばったお金を一枚一枚拾い上げる

チャニョルはAの顔に触れていて、Aは辛そうに笑顔でチャニョルの手を下に下ろした

その笑顔でさえ、俺は苦しい

チャニョルの事が好きだもんね

彼女がいるなんて、辛いはず

うん。

チャニョルの背中を見つめるAを抱き締めたくなった

でも出来ない

ギョンスの彼女だから______________

俺の胸はどんどん締め付けられていく

苦しい

.

LH｢…聞きたいことがある｣

さっきのAとの絡みはなんだったのか

ジフは俺の聞きたいことを察したように人の少ない所に腰掛けた