転校生の君 4 (ページ23)

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"ベッキョン君、よろしくね"

あの時の記憶が頭に蘇る

LH｢辛い思いさせたよね｣

あの時の笑顔は作り笑顔だったんだね

走って出て行った時も、辛かったんだよね

｢…何でっ……｣

君の大事な人

LH｢チャニョルが言ってた｣

君の事、何でも知ってた

チャニョルという名前を出すと、また更に泣き出したA

LH｢…はは…

Aは…チャニョルに心を持ってかれちゃったみたいだね…｣

他の女といるのに、やっぱり心は嘘つかないってか…はは

Aは大粒の涙を流しながらも首を横に振って否定した

…もう、嘘つかなくていいのに

するとAは苦しそうに口を開いた

｢…見捨てるなら……

優しくしないで欲しかったっ……｣

うん

2人はただの優しさなんかじゃないよ

Aが好きなんだよ

ベクに裏切られ、

そんな中チャニョルに開きかけた心をまた閉ざしたA

こんなに泣いているAを見るのは初めてだ

｢…大好きだったっ……｣

…それはベク？

チャニョルのこと？

俺はうんと言って涙を拭ってるだけだった

でもそう言われて、Aの気持ちなんてどうでもよくなった

怖いって思われても知らない

Aの頭を自分の体に押し付けて、腕を頭と背中に回した

辛そうなAをただ抱き締めたかった

チャニョルもこんな時、こうしてたでしょ？

俺じゃダメなの？

Aは俺の裾を強く握って大きく泣いた

その行動でさえ、キュンときてしまうんだ

.

｢ごめん…｣

LH｢たくさん知れてよかった

これからも辛くなったら俺の所に来てよ｣

俺はA傷付けたりしないよ

不安にさせない

死なせない

Aから離れて頭を撫でると、少し俯いた

そんな事言っても今のAからしたら、余計不安にするだけ

あんなに大事にしていたチャニョルでさえこうなってしまったんだもん

いつ何が起こるかわからない

俺がこんなの胸張って言える訳が無い

LH｢行こっか！｣

気を紛らすために少し明るめに言い、Aの手を握った

驚いてるA

俺も本当は恥ずかしいんだよ

でも、繋ぎたかったんだ

.

体育館に着くと、丁度セフンが踊っていた

間に合ったと思ったらすぐに終わってしまった

隣を見ると少ししょんぼりしてる

…あのセフンを知らないなんて驚いた