転校生の君 4 (ページ12)

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涙が止まらなくて、

いつの間にか止まっていた2人の足

……っなんで…

なんで知ってるの……っ

誰も知らない事なのに…

…ベクが言ったの？

LH｢何も知らず、辛い思いさせたよね｣

ルハン君はただただ泣いてる私の涙を拭ってくれていた

｢…何で……っ｣

そう言うと少し口角をあげて微笑んで答えた

LH｢チャニョルが言ってた｣

……え？

チャニョル……さん…？

なんでチャニョルさん…？

言ったこと無い…

思い返すと、確かにベクといて辛くなった時何も聞かず抱き締めてくれたり

助けてくれたりした

……助けてくれたり

……っ

何故か思い出してしまう

"大好きなの"

否定もしなかったチャニョルさん

……っ

LH｢…はは…

Aは…チャニョルに心を持ってかれちゃったみたいだね…｣

悲しそうな笑顔で頭を撫でるルハン君に余計辛くなる

｢……違う…っ｣

そんなんじゃない……

そう信じたかった

｢……見捨てるなら…｣

ベクもチャニョルさんも、

｢…優しくしないで欲しかったっ……｣

初めてこの自分の気持ちを誰かに言ったかもしれない

裏切られたのが悲しくて話した事はあるけど

こんなこと誰かに言ったのは初めてだった

ルハン君はうんうんって頷きながら私の頭を撫でながら聞いてくれた

｢……大好きだった…っ｣

ベク……っ

"大好き"
"世界で一番"
"俺が守ってあげる"
"ずっとそばにいる"

"Aは俺のだもん"

一気に込み上げるベクへの想い

忘れかけた思い出

…ほら、やっぱり忘れかけた時ばっかり…っ

するとフワッとさっき鼻についた香りに包み込まれた

……ルハン君…っ

初めてルハン君に抱きしめられた

いつもと違う香りに少しドキドキして、
こんなことするなんて想像もしてなかった

もう何で泣いてるのかわかんない

……ルハン君の前では泣きたくなかったのに…っ

.

｢…ごめん｣

ふと我に返った私

私、何してるんだろ…

馬鹿みたい…

するとルハン君は抱き締めたまま話し始めた

LH｢たくさん知れてよかった

これからも辛くなったら俺の所に来てよ｣

私の肩を押して体が離れ、頭に触れるルハン君

……

…なにやってるの本当に…

目を合わせられなくて、何も言えなかった

皆が皆同じように優しくしてくれるから怖いんだ

それに甘えてしまう自分