転校生の君 (ページ37)

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チャニョルさんは、私のカバンをわざわざ取りに行ってくれたみたい

CY｢帰るぞ｣

…え

待って…

こんな格好で外出たくない…

誰かにあったら…

しかも………お店行けない…

父さんと母さんにバレたらどうなるんだろう…

怖い、頭がグルグルする

体にまだ変な感触が残ってて気持ち悪い

CY｢………いつまで泣いてんの

…貸したんだから着ろよ｣

口数少なくて、いつも見下ろすチャニョルさん

今は少しいつもと違って見える

そして、チャニョルさんにも恐怖心があるのか震えがまだ止まらない

止まってよ……

頭の中でさっきの事態が再生されていく

本当に嫌………

気持ち悪い…

カバンからタオルを取り出して、口や顔触られたところ全部を

強く拭いた

拭いてるのに………

全然取れない

気持ち悪い…！！！

CY｢やめろって｣

チャニョルさんに腕を掴まれた

｢…嫌…っ！｣

さっき先生に掴まれたところと同じところを掴まれ、一瞬時間が戻った感じがした

チャニョルさんの腕を思いっきり振り払ってしまった

…違う…こんなことしたいわけじゃないのに

動けないまま床に座り込んでいた

すると上からジャージが落ちてきた

｢……これ｣

CY｢それで外出るのが嫌なら着ろ｣

チャニョルさんは少し離れて、背を向けてくれた

その間に急いで着替えた

……大きい

チャニョルさんは体も背も大きいからジャージがブカブカだ

CY｢…あと、ケーキ屋か｣

…心の中が読めるのだろうか

すごい

言いづらい事ばかり察してくれて、凄く助かってる

CY｢…まあ気にすんな、何とかなる｣

…殺されるよ。行かなきゃ…

CY｢あー…｣

チャニョルさんは少し離れて携帯をいじり始めて耳に当てた

CY｢今日部活休む｣

静かな教室に電話の相手の声が聞こえてくる

『なんで！今お前どこにいるんだよ！』

CY｢帰る｣

……サッパリしてるのね…

終わりかと思ったら、また別の所に電話を掛けた

CY｢……今から学校来れますか？｣

『…何で…』

CY｢早く来てください、今すぐ。お願いします｣

『…はぁ、ちょうど近くにいるから20分後くらいな』

………

…この声…聞いたことある

…気のせいかな

帰り、どうしよう

怖くて動けない