転校生の君 (ページ33)

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XM｢俺はお前を捨てないよ

思い出しすぎちゃったみたいだね。

少し座って休もっか｣

そうして段差のところに2人で腰を下ろした

そこまで酷いことされたわけじゃないのに怖い

私もよくわからない

XM｢学校違うし、大学の為に塾もあったり俺も忙しい｣

絶対迷惑じゃん

ミンソクさんはきっとそれを言いたいんだ

XM｢Aが高校生になって初めの頃泣きながら電話して来たよな

その時にも、それからもずっと言ってる｣

ミンソクさんの口調は優しくて

不安の中すんなりと耳に入ってくる

XM｢俺は大学よりも友達を取る

大事な妹のそばに居るよって｣

"そばに居るよ"

確かに何度も言われた気がする

でも、それでも彼には裏切られた

多分ミンソクさんより、ベクの方が多く頭に残ってる

本当に忘れたいのに。

するといきなりミンソクさんが頭を自分の方に引き寄せた

…？？？ミンソクさん？

そして耳を塞がれた

『…こんばんは………』

XM｢……よ｣

…ミンソクさん。

ミンソクさんは優しいよね

きっと、痛くないように軽く抑えてくれてるんだろう

………全部聞こえるよ

XM｢…久しぶり、ベク｣

私はミンソクさんの服を思いっきり握った

頭を抑えられてるから見えないけど、強く目を瞑った

BH｢…久しぶりっす｣

聞きたくない声

気付けば涙がまた溢れていた

LH｢………A｣

そんな声が聞こえて更に止まらなくなった

そうだった、2人一緒に帰ってるんだ

2人にバレないように声を押し殺して泣いた

XM｢2人ともサッカー頑張れよ｣

しばらくして足音が遠ざかって行った

XM｢ごめんな、いきなり｣

ミンソクさんは悲しそうな表情で私の涙を拭って、ポンポンっとしてくれた

全部聞こえたよ

二人の声

一番会いたくない人

一番関わりたくない人

明日の学校が憂鬱だ

.

今日も話しかけられないように背を向けたり、顔を伏せたりした

昨日あんなとこ見られちゃったし

暗いからバレてないかも…
誤魔化せるかも…？

"………A"

昨日のルハン君の声も、ベクの声も

頭から離れない

思い出したらまた泣くから、きっと誤魔化す力なんて私にない