転校生の君 (ページ17)

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LH｢何かあったの？｣

ちょっとドキッとした

別に聞いて欲しかった訳じゃないけど

気付いてくれて声を掛けてきた

それが少し嬉しかった

｢何も無いよ｣

ルハン君に話す事じゃないし、話したらさらにワガママになっちゃうからダメ

LH｢ため息ついてるし。なんか上の空だし｣

………

｢ホントに何も無いよ、気にしてくれてありがとう｣

ルハン君は本をペラペラ捲ってるだけでこっちを見ようとはしなかった

こんなこと思ったらダメだけど

…表だけだろうな、きっと

LH｢言えばいいのに｣

ルハン君がそう言ったと同時にガチャっと扉が開いた

扉に立ってたのは、先輩…かな？

『ルハン君！！見つけた！！探したんだよぉ～！』

……。

本読もう。

『なんで教室にいないのぉ！ちょっと話さない？？』

チラッと隣を見ると、ルハン君にベッタリな先輩

『こんな所で何してるの？行こ行こ！』

先輩がルハン君を引っ張って立ち上がらせてこっちに向かってきた

出来るだけ存在感を消したつもり…だったのに

先輩とぶつかってしまった

『何アンタ』

…う。怖…

｢す、すみません…｣

謝っても舌打ちをして睨みつけてくる

…ううう怖い怖い…

すると思いっきり肩を押されて椅子から落ちた

…え。いった…

上から見下ろす先輩が怖すぎて見れない

その隣にいるルハン君と目が合ったけど、恥ずかしいからすぐ逸らした

『行こ行こ～♡』

先輩はルハン君の腕を絡めて私の横を通り過ぎていった

今まで無視される程度で、暴力的ないじめはなかった

……何これ。恥ずかし…

怖かった～なんて思いながら制服に付いた埃を払って床に落ちた本を拾う

ルハン君に比べたらこんなのどうってことないか…

LH｢あの｣

扉の近くを見てみるとルハン君が立ち止まっていた

LH｢誰か知らないし、メイク濃いし、香水臭いし。それは我慢出来る

けど、人を傷つける人はホントに無理なんで｣

ルハン君は笑顔で先輩にキツイ言葉を言った

…っ

先輩は悔しそうにルハン君から離れて、図書室を走って出て行った

その時一瞬目があった気がしたけど怖くて逸らしてしまった

図書室に流れる変な空気の中ルハン君は私に駆け寄ってきた

LH｢大丈夫？怪我ない？｣

……優しい爽やかな転校生じゃなかった…

あんな酷いことをハッキリ…