悪者？【3年A組】

50.危険人物 ページ6

柊 side



「景山澪奈のフェイク動画を、
ベルムズに依頼したhunterは、

今夜20時までに名乗り出てください。

名乗り出なかった場合、
教室を爆破します。」



　そう俺は、はっきりと言い放った。



　驚いているのは教師だけじゃない、勿論生徒達も。


　ある一人を除いて。(・・・・・・・)


　
　何も感じていない、何も映さない瞳は、しっかり俺を捉えていた。


　くだらなさそうに、興味がなさそうに。



　生徒達が「手を組んだんじゃなかったのか」と聞いた時、

　確かに笑っていた。


　嘲笑う笑みでは無く、もう救い様の無い、そんな哀れみの目で見ていた。



　「勘違いするなよ。」



　「お前たちと仲間になったつもりはない。

　俺がお前たちに協力を求めたのは、

　真実を明かすために、
命を差し出して欲しい、そういう意味だ。」


　
　そう言い放つと、すぐに無表情になった。


　興味は失せたのだろうか。


　携帯を手にした生徒達から、携帯、鞄を回収する途中、こんな事を言った。



仁科「チッ、ぼく触ってないんですけど。」


　
　舌打ちが聞こえてるんだよなぁ…せめて聞こえない様にしてくれよ。



　「まぁ、''仁科なら''そういう事はしないだろうけど、一応な？」


　皮肉を込めて、そう応えた。



　すると荒々しく鞄と携帯を放り投げてきた。



　あっぶねぇ………携帯壊すぞ、全く。




　でも、これでよーくわかった。



　「このクラスの最重要人物(超危険人物)」



　仁科 A…………、



　命を投げ打つことに一切の恐怖を持たない、自分の欲に従う、自分のやりたい事をやる、


　


　 一番恐ろしいのは、その為ならば''どんなリスクも取れる''ということ。




　こいつは、間違いなく………、





　・





　・





　・





　・






　 「狂ってる。」

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