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『たぶん1年生……ハーフっぽい、背の高い子に助けてもらって』
今朝起きたことをざっくりと話す。
「へぇ。1年でハーフっぽくて背が高い……それってリエーフじゃないか?」
「あー、あいつな」
『リエーフ?』
「そそ、灰羽リエーフ。確認するか?」
『あ、いえ、そこまでしていただかなくても…』
灰羽、ってたしか……今朝廊下で怒られてた時に呼ばれてた名前だ。
『リエーフくん、か』
知ったばかりの名前、なんだか口に出すと心がざわざわしてしまう。
「……」
「……オレ自販機行ってくる」
「はは、んじゃオレも〜」
黒尾さんが目配せをすると、夜久さんは席を立って行ってしまった。黒尾さんもその後を追いかける。
(……なんだか様子が変?)
首を傾げていると、残った海さんが話を続けた。
「気になるか?リエーフ」
『いや、あの……ちょっとだけ、です』
「正直だなぁ」
不思議なことに海さんの目を見ると嘘がつけない気がしてくる。
なんとなく決まりが悪くて、空になった弁当箱の隅をつつく。
(まだちょっと気になるだけだし……そういうのじゃない、はず)
なかなか戻ってこない夜久さんたちを待って昼休みを過ごした。
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「夜久〜、ライバル出現じゃねーの?うかうかしてっと掻っ攫われちまうぜ」
「……」
「はは、無視かい」
自販機の前で立ち止まっていると、黒尾がひと足先にボタンを押す。
出てきたペットボトルをこちらへ放り投げた。
炭酸だ。
「さすがにもう、一緒にメシ食うだけで満足するのやめたら」
うるせぇよ。
「よりによって、リエーフとか……」
_____ざわざわ。
まだそうと決まったわけじゃない、けど。
ざわつく気持ちを落ち着かせるために、受け取った炭酸を無理やり喉奥へ流し込んだ。
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えま - はい!読みます!! (4月6日 18時) (レス) @page33 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
ボルシチ(プロフ) - えまさん» コメント嬉しいです…!ありがとうございます☺️ (4月6日 11時) (レス) id: f90a9b58f4 (このIDを非表示/違反報告)
えま - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです!! (4月6日 9時) (レス) @page32 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
ボルシチ(プロフ) - いもりさん» 素人の文にそう言って頂けて嬉しいです…!こちらこそありがとうございました🙏 (4月5日 22時) (レス) id: f90a9b58f4 (このIDを非表示/違反報告)
いもり - 完結おめでとうございます!!とってもドキドキしました(`・ω・´)こんないい作品書いて下さりありがとうございました! (4月5日 17時) (レス) @page32 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ボルシチ | 作成日時:2024年3月22日 12時