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「オレ、いきなりあんなことしたから振られても仕方ないと思って……」
『えっ、避けてたのってそのせい?』
「もちろんそれだけじゃないですけど……でも、オレだって怖かったですよ……」
ぐりぐりと肩に顔を押し付けられて、少しくすぐったい。手が届く距離にある彼の髪の毛を、ゆっくりと撫でた。
『……私、好きじゃない人とはしないよ』
すると灰羽くんはぴたりと動きを止めて、こちらを見つめる。
『どうしたの…………ん』
軽く触れるようなバードキス。
「オレは好きな人だからしても良いですよね」
『ぅ……ねぇ、いきなりは嫌って言った……』
「あ……すみません、嬉しくて」
イタズラっぽく笑う彼はすっかり元の調子だ。
「じゃあ、してもいいですか」
『……聞かないで』
「どっち?」
2人でクスクス笑って、もう一度唇が触れる。
『しすぎだよ』
「嫌じゃないでしょ?」
『ね、もう一回……言って』
「なにをですか?」
『……すきって』
「……好きです、Aさん」
『…………わたしもすき』
改めて言うと、お互いに恥ずかしくて沈黙が続く。
__ゴロゴロ
大きな雷が沈黙を破って、びくっと反応してしまう。
『……今日、すごい鳴ってるね』
「ですね……そろそろ、行きますか」
『……うん、もう夜遅いもんね』
体育館を出て校舎に戻るまで、少しの時間だけど手を繋いで歩いた。
2人で歩くと少しだけだけど、雷が気にならなかった。
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えま - はい!読みます!! (4月6日 18時) (レス) @page33 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
ボルシチ(プロフ) - えまさん» コメント嬉しいです…!ありがとうございます☺️ (4月6日 11時) (レス) id: f90a9b58f4 (このIDを非表示/違反報告)
えま - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです!! (4月6日 9時) (レス) @page32 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
ボルシチ(プロフ) - いもりさん» 素人の文にそう言って頂けて嬉しいです…!こちらこそありがとうございました🙏 (4月5日 22時) (レス) id: f90a9b58f4 (このIDを非表示/違反報告)
いもり - 完結おめでとうございます!!とってもドキドキしました(`・ω・´)こんないい作品書いて下さりありがとうございました! (4月5日 17時) (レス) @page32 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ボルシチ | 作成日時:2024年3月22日 12時