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私の血が止まるまでの間ずっと様子をみていてくれた梟谷のマネージャーさんには、止血が済んだことが確認でき次第先に体育館へと戻ってもらった。
(迷惑、かけちゃった)
私も戻らなきゃいけないけど、タオルとジャージの汚れを落とすのが先だ。
遠くで聞こえるボールが跳ねる音を聞きながら、また滲み出す涙をぐっと堪えて布を擦り続ける。
今日は分厚い雲が立ち込めて、今にも天気が悪くなりそうだ。
『雷なったら、やだな……』
「……雷苦手か？」
いつの間にか背後に立っていたその声の主に驚き、急いでこぼれかけた涙を拭った。
『っ……夜久さん……休憩ですか』
「あー、休憩っつーか……昼メシの時間なったから、様子見に」
汚れを落とすことに一生懸命になっていたせいで、気がつかなかったのだろう。
『もうそんな時間……すみません、みんなに迷惑かけて……梟谷のみなさんにも、謝らないと……』
「まてまて、ここ座れ、な？一旦落ち着け」
急いで戻ろうとする私の手を夜久さんが慌てて引き止める。
『……？』
「ほら、こっち。謝るのは後でも大丈夫だから」
ひとまずポンポンと地面を叩き、座るよう促す夜久さんの言う通りにする。
『……』
「A、ずっとなんか考えてたろ？」
『あ……すみません』
「いや、その、謝って欲しいんじゃなくてさ……」
困ったように頭をかいた後、夜久さんはしっかりこっちを向いて続けた。
「……それ、俺に話すのじゃダメか」
彼は耳まで赤くなっているけれど、目が合っても逸らされることはない。
『えと、でも……』
「俺じゃ、頼りない？」
『ぜ、全然そんなことは……でも、部活とか全く関係ないのに、聞いてもらうの申し訳なくて……』
「俺はAがずっと暗い顔してる方が心配、だから……話して解決するなら、その方がいい」
『なんか……』
「ん？」
『夜久さんが照れながら言うから……私も恥ずかしくなってきました』
「はぁ……！？照れてねぇ！」
真っ赤な耳で慌てる夜久さんをみて、なんだかクスッと笑ってしまった。
少し笑った私の頭を、夜久さんはわしゃわしゃと撫でる。
きっと照れ隠しだ。
自分でした癖に「やりすぎたか……？」と言って髪の毛を直してくれる。
(夜久さんは初めて会った時から、ずっと優しいな)
『ありがとうございます、夜久さん。……聞いて、もらってもいいですか』
「……おう」
『好きな人が、いて』
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えま - はい！読みます！！ (4月6日 18時) (
レス) @page33 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
ボルシチ(プロフ) - えまさん» コメント嬉しいです…！ありがとうございます☺️ (4月6日 11時) (レス) id: f90a9b58f4 (このIDを非表示/違反報告)
えま - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです!! (4月6日 9時) (レス) @page32 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
ボルシチ(プロフ) - いもりさん» 素人の文にそう言って頂けて嬉しいです…！こちらこそありがとうございました🙏 (4月5日 22時) (レス) id: f90a9b58f4 (このIDを非表示/違反報告)
いもり - 完結おめでとうございます！！とってもドキドキしました(｀･ω･´)こんないい作品書いて下さりありがとうございました！ (4月5日 17時) (レス) @page32 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ボルシチ | 作成日時：2024年3月22日 12時
