2.ざわざわ ページ3
あの後なんとか始業に間に合い、今は昼休み。
「珍しいね、Aが遅刻ギリギリなんて」
そう声をかけてくれたのは、隣の席のプリン頭と猫目が特徴の孤爪くんだ。
不良とかじゃないはず。
彼は小学校の頃からずっと同じクラスで、なんとなく、仲がいい。
きっと人付き合いが得意な方じゃない者同士、波長が合ったりするのだろう。
『それが、実は木から降りられなくなった猫がいたんだけど、全然手が届かなくて……』
「ふぅん……」
『あ、でも偶然通りかかった一年生の背がとっても高くて。助けてくれたんだ』
「……良かったじゃん」
彼は相変わらず曖昧な返事をするや否や、手元のゲームに目を落とす。
いつもこんな感じ。
これが私と彼の距離感で、これがお互い穏やかに過ごせる秘訣だ。たぶん。
「……そういえば、クロたちがご飯誘ってた」
『ホント？孤爪くんは行かないの？』
「オレはいいや……忙しいし」
『そっか。じゃあまたあとで』
画面から目を離すことなく頷く彼を置いて、お弁当の包みを持って三年生の教室へ向かった。
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「Aちゃーん。こっちこっち」
教室の入り口から中を覗き込む私に手を挙げて教えてくれるのはクロ……と呼ばれていた黒尾さん。
『お邪魔します……』
ツンツン頭の彼は孤爪くんの幼馴染だ。孤爪くんつながりで昔から仲良くしてくれている。
「三年の教室入るの緊張するよね」
そうやって微笑んでいるのは海さん。いつも穏やかで落ち着くんだ。
『いえ、誘って貰えるの嬉しいですから。そういえば孤爪くんは今日もゲームみたいですよ』
「ははは、やっぱりな。ダメもとで誘っただけだから大丈夫だよ」
いつもはあともう1人＿＿＿＿＿
「今日も来てくれたんだ。ごめんな？毎回呼び出して……」
「おせーぞ夜久」
「うっせ！別にいいだろ」
そういって黒尾さんをこづく、少し背の小さい先輩が夜久さんだ。
この3人がいつものメンバーで、たまにご飯へ誘ってくれる。
みんなバレー部らしい。
気を使わせて申し訳ない気持ちもあるけれど、みんな親切にしてくれて居心地も良い。
「A、今日遅刻ギリギリだったんだって？」
『え、なんで夜久さんが……もしかして孤爪くんから聞きました？』
「あ、悪い。教室寄ったついでに聞いちゃってさ……」
『いえ、大したことじゃないんですけど』
そう言ってお弁当の包みを開いた。
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えま - はい！読みます！！ (4月6日 18時) (
レス) @page33 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
ボルシチ(プロフ) - えまさん» コメント嬉しいです…！ありがとうございます☺️ (4月6日 11時) (レス) id: f90a9b58f4 (このIDを非表示/違反報告)
えま - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです!! (4月6日 9時) (レス) @page32 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
ボルシチ(プロフ) - いもりさん» 素人の文にそう言って頂けて嬉しいです…！こちらこそありがとうございました🙏 (4月5日 22時) (レス) id: f90a9b58f4 (このIDを非表示/違反報告)
いもり - 完結おめでとうございます！！とってもドキドキしました(｀･ω･´)こんないい作品書いて下さりありがとうございました！ (4月5日 17時) (レス) @page32 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ボルシチ | 作成日時：2024年3月22日 12時
