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一通り彼の銀色の髪から水気がなくなり、分け目に沿って前髪を整えてあげていると、突然彼が体を起こす。
「Aさん」
『ん？どうかしたの？』
私からタオルを受け取った流れで、彼は私の手を握った。指と指がするりと交わる。
彼と視線を合わせても、いつもの快活な笑顔や、さっきのように甘える猫のような目はない。
向かい合ったまま繋がれた手が、少し照れくさい気がして視線を落とした。
「この合宿終わったら……」
そこまで言って口籠る彼に首を傾げていると、ふと指と指が離れてしまう。
『……？』
「……合宿終わったら、一緒に花火しましょうよ。夏ですし！」
『え？……あ、うん。いいね』
(あれ……？そのこと？)
「Aさんマネージャー始めてから忙しそうであんまり構ってくれなくなっちゃいましたし！」
『えっ、ごめんね……覚えることたくさんだし、早く慣れなきゃって』
「怒ってないですけど……たまには、ゆっくりするのも大事ってことです！」
得意げに言って人差し指を立てる彼は、またいつもの彼に戻ったみたいだ。
ついふふ、と笑って、さっき浮かんだ疑問はどこかへ行ってしまった。
なんだかドキドキしていた自分が恥ずかしいな、なんて。
『花火他にも誰か誘うの？』
「2人だけですよ」
『2人だけ？』
「2人じゃないとダメです」
『あ、うん』
「絶対ですよ」
『ふふ、うん。わかった』
(なんかデートみたいだけど……灰羽くんはそんなつもりないよね)
廊下の片隅で2人。
初めて学校以外で会う約束をして、声を潜めて話していたのが秘密の作戦みたいだと、呑気なことばかりを考えていた。
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えま - はい！読みます！！ (4月6日 18時) (
レス) @page33 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
ボルシチ(プロフ) - えまさん» コメント嬉しいです…！ありがとうございます☺️ (4月6日 11時) (レス) id: f90a9b58f4 (このIDを非表示/違反報告)
えま - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです!! (4月6日 9時) (レス) @page32 id: c3dc1b262f (このIDを非表示/違反報告)
ボルシチ(プロフ) - いもりさん» 素人の文にそう言って頂けて嬉しいです…！こちらこそありがとうございました🙏 (4月5日 22時) (レス) id: f90a9b58f4 (このIDを非表示/違反報告)
いもり - 完結おめでとうございます！！とってもドキドキしました(｀･ω･´)こんないい作品書いて下さりありがとうございました！ (4月5日 17時) (レス) @page32 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ボルシチ | 作成日時：2024年3月22日 12時
